特攻
(“
障害物のいなくなった女王までの
「スクルド!そいつらを、止めなさい!!」
「!?」
黄河シオリが叫ぶと、半壊していたはずのスクルドが自己修復を終えて、ほぼ完全な姿で戦線へと復帰してくる。彼女の
蓮見が命懸けの一撃で負わせたダメージを、この短時間で回復した
『王に
自身の“
「やば……ッ!?」
『……シールド・バッシュ!!』
ドンッ!と、まるで交通事故にでも遭ったような音と共に、スクルドの高速突進を真正面から受けた忍頂寺が、再び部屋の入口付近まで吹き飛ばされてしまう。
不意を突かれたのと加速装置による高速化で、さすがの彼女も対応することが出来なかった。
「テン!!」
植村が、彼女を案じて振り向くと、「次は、お前だ」とばかりにスクルドが踵を返し、今度は彼に向かって突撃を開始する。
先にテンを狙ったのは、“植村ユウト”の力を察して警戒したからなのかは分からなかったが、その状況判断は正解だった。
ここで、植村は一瞬で頭をフル回転させる。
どうする!?
“
つまり、
正解のルートは、ただ一つ。
一瞬のうちに、排除するしかない。
【虚飾】が、【ヒプノーシス】rank100に代わりました
「詠唱省略!
詠唱をすれば、暗示が強まり威力も増大する“
威力は落ちるが、それでも
キイイイイイイン
植村の右腕が赤く光り輝くと、接近してきた
【虚飾】が、【こぶし】rank100に代わりました
「
ズドンッ!!!
その拳は、スクルドの機械の体を貫くと、一撃のもとに敵の意識もろとも刈り取った。
だが、勝利の余韻に浸ることもなく、すぐに植村は腕を引き抜くと、再び団長のもとへと走り出す。
糸の切れた操り人形のように、膝から崩れ落ちていく守護者の姿を見て、黒宮は驚きと共に、予想以上だった彼の真の実力に若干の恐怖さえ抱いた。
(エリザさんが、あれだけ苦戦した相手を、たった一撃で仕留めるなんて。なぜ、こぞって皆が彼を推薦したのか……ようやく、理由が分かった)
呆然としていた黒宮だったが、すぐ近くから聞こえる切迫した声に、ハッと我に返る。
「神のご加護を……この者のあるべき姿へ、時よ戻れ!」
パアアアアアアアッ!
負傷して倒れている忍頂寺へ、雲雀の【修復】による回復が施されている。時間が無いことを心得ているので、全力で応急処置を敢行していた。
これにより、蓮見と安東の処置は出来なくなるが、忍頂寺がいなければ、この作戦は完遂できない。
雲雀の判断は、正しかった。
そんな後ろの様子を確認している暇は無い植村だったが、“テンなら必ず戻ってくる”と信じて、自分の任務を全うすることに全力を傾ける。
まずは、「七星剣術・六つ星“
【虚飾】が、【ヒプノーシス】rank100に代わりました
“
「我が一太刀は、光の如く……全ての闇を、振り払う。我が一太刀は、光の如く……全ての
キイイイイイイン
植村の持つ
彼の“
それならば、【ヒプノーシス】による「自己暗示:一撃強化」の効果が及ぶのではないか?
そうして、彼が密かに修練を積んでいたのが“この技”だった。
「
団長の“
すると、七色だった光刃が分離していき、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫、各色の七つの刃へと徐々に枝分かれしていく。
「くっ!お前のような軟弱な男に、“
自慢の
そして、放たれる必殺の一太刀……もとい、必殺の七太刀。
【虚飾】が、【近接戦闘(刀剣)】rank100に代わりました
「……
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