ブルーメギド〜英雄殺戮作戦〜

第1話 オリュンポス

「碧（あお）様！碧様！」

　地下の世界の入り組んだ基地の奥底に彼らはいた。

　赤髪を乱雑に結んだツインテールの少女が王座に座る少年に元気よく話しかける。

「どうした？」

　碧様と呼ばれていた少年が応答する。

「私っ英雄を1人返り討ちにしてきました！」

　赤髪の少女がニシシと自慢げに笑う。

「そうか。よくやった。」

　王座に座る少年は赤髪の少女を誉めてやる。

　赤髪の少女が返り討ちにしたという英雄の死体は地上に捨てられていた。

　頭がちぎれ、右腕が肩からもげている。

　ちぎれた右腕の先には英雄らしき剣が握られていた。

　この世界には２つの種類の魔法使いがいる。

　正義を貫く英雄と社会不適合者。通称『敵（ヴィラン）』。

　英雄は犯罪を起こす敵（ヴィラン）を取り締まり、多くの敵（ヴィラン）は英雄たちを恨んでいた。

　その中で団体的に英雄殺しを行う敵（ヴィラン）たちがいた。

　名前は『オリュンポス』。その頂点に立つのが『魔王アリエス・オルカ』だ。11人の仲間と共に英雄殺しを行う。仲間たちからは碧様と呼ばれとても慕われているそうだ。

　地下に住処があるためかそれとも彼らが強すぎるからか英雄は彼らを見つけることすらできない。見つけられたとしても返り討ちにされる。彼らの前に立ち、生きて返ったものはいない、、、はずだった。

　彼らはなぜ英雄を殺すのか。

　　　　　　『ブルーメギド』