太陽の転覆
太陽が海になるとき
月の貴女に もはや逃げる場所はない
辿り着くもの 満たされぬもの
……嗚呼 思考は夜の荒波に熔け
私の舟は時間の
その痛みや涙を感じることがない
貴女のハーモニカから飛び出す磁力の泡は
私の蛇の瞳を捕えて離さない
岩の塊にすぎない宇宙の落ちこぼれが
空を駆け降りては神か何かと誤解されても
悲歌を
麗しさを失うものは何もなく
貴女は ソクラテスの仰いだ毒杯を思って泣く
私のプラトニックな指先が
幼い日々の氷の想い出をなぞるのを
夕闇の中で静かに拒むように
太古の洪水は 国の形を様々に変えたという
……嗚呼 だからなのか
私の夜が 今
こんなにも幸せなのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます