第2話 なろう転生 あるピーマンな忍者さん その2
・・・なんだか硬い・・・?
あれ?昨日ちゃんと布団入って寝たよね?寝落ちしちゃったけ?・・・
それにしても何?このニスすら塗ってない何にもない机。
「って!!ここ何処!?私の部屋は!?PCやスマホどこ!!!」
「!?!?この手!Vのアバターの衣装!?ピーマンの衣装じゃない!」
慌てて体を見てみると、自分が配信で使っているVアバターの衣装そのままで、胸も見事に絶壁を為していた。
何がどうなったのか、訳がわからない。
放心して椅子に座り直して、ともかく寝る前の記憶を辿ってみる。
「昨日も寝る前に配信して、それが終わっていつも通りにベッドに入って・・・・」
「昨日は確か(なろう転生!あなたはどんな転生をしたい?)ってトークテーマでいつもの様に、リスナーの皆からネタ満載のキャラに仕立てあげられ・・・・!?」
そこまで思い出して、今まさにその状況なのでは!!!っと見下ろす体だけではなく、顔の確認をしようと部屋を見回して見たけど、鑑どころか窓にガラスすら無かった。
粗末な机の上に、これまたシンプルでなんにも色彩さえない水入れらしき物があるのに気がついた。その横に木を彫っただけの洗面器らしき器に水を入れて、そこをのぞき込むと・・・・。
「服部 ピーマン ここに生誕・・・。マジになろう転生でした・・・。」
3Dでヌルヌル動くVの体を手に入れる前に、アバターがまんまリアルになりました!
って!そういう事じゃないだろ!!誰かちゃんとした説明してくれ~~~~!!!
心の中で絶叫したら(異世界転生マニュアル の表示をしますか?)と耳から入ってきた音とは違う、頭に直接送られてきたような音声が!?
(この音声ガイダンスは直接脳に送られた信号のようなものであり、周りには聞こえておりません。返答も音声にださずとも「はい・いいえ」と思考されれば問題ありません)
Vアバターのこの体に、VRゲームのようなガイダンスが直接脳に・・・。
ともかく現状確認するしかないので、声に出さずに(マニュアルを表示)と心の中で思う。
(マニュアル表示 基本的に文字表示に切り替えます。音声ガイダンスをご希望であればそう思考してください。文字も音声も使用者以外には認識されませんので、使用時はお一人の状況を推奨します。知りたい項目を思考・或いは視線にて選択。各項目はフォルダーになっており、更に下部のフォルダー等が表示されることもあります。
これからの快適なる異世界ライフの為に、このマニュアルを熟読されることを推奨いたします。
尚、疑問点等はヘルプ内からメール形式にてお受け致しますが、対応に要する時間等はお約束できませんので、ご了承下さい。
そう頭に直接送り込まれてくる音声が途切れると、私の視界にはFPSゲームのような、今見えている風景の上に半透明な板に文字が表示されるという、ゲーム仕様のマニュアルの各項目が表示された。
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どれくらいの時間が経ったのかは時計の一つもない現状では確認出来ないが(時間の表示をご希望ですか?常時表示・希望時に表示の選択可能です。表示場所も任意に指定できますのでご活用下さい。)って!頭に音声ガンダンスが割り込んできた。
親切設計?なガイダンスに対して、(希望時のみ表示と思考して表示させ、場所を視線にてホールド?して右下の方に移動させた)
その時計によると現在は11時10分であるそうな。
この世界でも一日は24時間であり、一年は一か月30日×12か月の360日。
地球基準にそれを少し簡素化した、そんな感じの世界だとマニュアルを読んだ限りでの私の感想。
「リスナーと「人ならざる存在」に遊ばれた感は否めないけど、マニュアルを読んだ限りは、ウチに損がある訳でもなし。楽しんだ者勝ちだよね。」
「よっし!切り替えて色々実践しながら、なろう転生 ピーマンとして一丁!やりますかね!」
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