第37話 混乱のベッド(※)


「ん………っ」


長いキスの後、ハヤトは白いニットを脱ぎ捨てた。彼の体を初めて見る。毎日森へ行っているのだろう。痩せ型だと思っていたのに、ほどよく引き締まった筋肉質で男らしい肉体を、オリビアは熱を帯びた目で眺めた。


上着と、そして彼に貰ったピンク色のワンピース。ハヤトによって自分も服を脱がされていくのを、黙って受け入れる。


「は、恥ずかしい」


「可愛いよ」


──どうして。恥ずかしいけど、嫌じゃない。

 

ハヤトに抱き締められる。直に触れ合う肌から、彼の鼓動が伝わってくる。


「オリビア、好き……君を守れて良かった……」


首筋に何度も吸い付くようなキスをされて、オリビアは身を捩る。やがて彼の手は胸元まで下りてきて、優しく包み込むようにして揉み始めた。


「あ……ん……」


甘い声が漏れる。素直に気持ち良さを感じてしまう。指先で先端を擦られて、つい腰が浮く。


「気持ち良い?」


「う、うん……」


(何で、嫌じゃないの?もっと触って欲しい。ハヤト………)


もう1人の自分が絶対におかしいと叫んでいるのに、胸の高鳴りが掻き消していく。

ハヤトの優しい手つきに身を任せて、自然に出る声を堪える事なく彼に聞かせる。


「あ……ふぁ……んんっ……」


頭がぼうっとする。触れられた所がじんじんと疼く。溶けてしまいそうな感覚に襲われる。

ハヤトの吐息も荒くなり、彼の手は下半身に伸びた。


「濡れてるね…嬉しいよ」


「いっ、言わないで」


顔がさらに熱くなる。割れ目にそってなぞられ、一番敏感な部分を撫で上げられると、ビクンと体が跳ねた。


「あぁ、もう……可愛いな……」


突如体を起こしたハヤトが、足元へ移動する。大きく足を開かされ、その間に彼の顔が埋まった。


「や、待って!それはやだ…!」


一瞬だけ我に返ったオリビアは慌てて起き上がるが、足をぐいっとお腹側に押し付けられてまた後ろへ倒れる。


「先に言っとくけど、今日はもう止まらないからね」


「いやっ、あぁ……!」


舌先が中央に触れる。ハヤトはわざと音を立てて舐め上げた。腰の下に枕を差し込まれ、下半身が浮いているせいで、全てが見えてしまっている。オリビアは羞恥心の限界を超えて腰を引いた。しかし、すぐに気付かれがっちりと捕まえられる。


「だから今さら逃げたって遅いんだって」


突起を隠そうとする扉を指で広げられ、尖らせた舌で刺激されると、途端に激しい喘ぎ声が出た。


「あっ!あああっ!!」


「ねぇ……すごく溢れてきたよ……」


「やぁっ!!恥ずかしいってばぁ…っ!」


「嫌じゃないよね……ここ、好きだよね?こうやって吸われるのはどうかな」


唾液を含ませた彼の口へ吸い込まれていく。足のつま先まで電流が走ったかのような痺れに襲われ、溢れる愛液が、シーツを濡らす。


「あぁっ!!それ、変になるっ」


「いいよ。僕の前では、クールぶるなんて事、させないから…」


「ひゃあっ、んっ、あっ!!」


ハヤトの攻めは止まらない。オリビアの全てを暴いていく。


「イキそう?」


「うん……うん……!!」


素直にコクコクと頷くと、弱い所を一層強く刺激され、絶頂へと導かれる。


「いいよ、ほら」


「う……ああぁっ……!!」


心臓がバクバクと大きく動く。オリビアが仰け反りながら痙攣すると、彼は口を離した。


「オリビア、僕、限界だ……」


「はぁっ、はあ……」

 

──私、またハヤトに…


肩で呼吸をしながらぼんやり考えていると、自分のものを取り出すハヤトの姿が目に映った。今度こそ、今日こそ最後までされてしまうらしい。


──いつもの自分なら、大暴れするのに。杖なら手元にあるのに。魔法で攻撃してでも逃げないといけないのに。


「いいよね…オリビア」


火照ったオリビアの口からは、嫌がるどころかとんでもない言葉が飛び出していた。


「早く…」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る