面白企画ハーフ&ハーフ3の回答をここに
はらだいこまんまる
第一回目のお題キャラクター『幼少にして大黒柱の男の子』
お題編 濁沼蓮
「われらの仕事を簡単に説明すると、だ……」
天使の笑みを浮かべて上役はこう告げた。
「……貸したものは利子つけてちゃんと返してもらえ、に尽きるよ。キミィ」
それから目の奥に悪魔の炎をちらつかせて続けた。
「だから、返してもらうまではくれぐれも手ぶらで戻ってこないように」
そう。貸したものを返してもらう。
わたしの仕事を簡単に説明するならそういうことだ。
実にシンプルな商売。
素直に返してくれる相手ばかりなら、こんなに良い仕事はないくらいだ。
だがもちろんそんな相手ばかりではない。
それどころか海千山千の猛者……もとい、顧客がたくさんいるのだ。
(いつの間にか胃薬が手放せなくなったな……)
ガリリと錠剤をかみ砕いて飲み込み、青空をにらみつける。
今日の交渉先はなんと男の子。
しかも幼い弟妹を抱え、親の面倒まで見ているしっかり者。
確かにいい子なんだけど……それだけに厄介な相手なのだ。
かくしてわたしは憂鬱をずるずると引きずりながら、今日も顧客のもとに足を運ぶのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます