第10話キーアイテムを考える。
とりあえず、キーアイテムを持って帰ってはめない限りはここから出られないという事は分かった。だが、問題はそのキーアイテムが何かという事なのだが……。
はめ込む場所の穴の形状から考えるのか、それとも行動していればヒントがそれぞれに隠されていて自然とキーアイテムにたどりつけるようになっているのか。それがまだよく分からない。
穴の形から一つは骨付き肉のような形が見えた。うーん、たぶんこれは骨付き肉で間違いないよな。しかも大きい。これはよく言う漫画肉だな。しかし実際にはこんな肉は自然ではめったにお目にかかる事はなさそうだな。熊とかそういった巨大生物かあるいは人工的に作った肉なのか。いや肉だと腐るからこういう形をした石版とかなのかもしれない。いずれにせよ推測するにそれがありそうなのは無人島だよな。イメージ的に。後の二つの穴は、と。
次の穴を見てみるとそこには注射のような形があった。
「ああ、これは注射だな。形的に。という事はあれかワクチン的なものか。という事はこれが手に入るのは……ゾンビ村だよな」
そして最後の穴を見てみる。何か宝石でも埋め込めそうな丸い穴があった。そしてその下には読めない古代文字が書かれている。
「うん。多分これがダンジョンだな。魔法アイテム的なやつだな。魔力石的な」
と自分の中で推測した。もちろんこれはただの推測なので、勝手な妄想を含めた解釈なので、それが正しいとは限らないだろう。僕の感まあまあ外れるし。しかし予想を立てておくことは時には大事だとも思っている。予想と違ってもそれは切り替えれば良いし、もし予想と当たっていた場合はある程度の心の準備ができているので対応が準備していなかった時よりもいくらかは早くなるだろう。まあ考えすぎて行動しないというのもまずいが、今はとりあえずそんなに時間はかかってはいないはずだし、この先のどのぐらいかかるかの時間も未定なので準備期間というのはとっておいても別に不都合ではないだろう。
その他この部屋をくまなく調べたがそれ以上のヒントのようなものは隠されてはいなかった。
少し眠るか……。
まだ起きてからそう経ってはいなかったのだが、色々な事が起こりすぎた。
三人に意識分裂、そして今のこの状況と、飛ばされる場所。脱出のためのほぼ強制的な探検。やはりいまだにこの状況が現実だとはまだどこか信じがたい。ただのゲームであればどれほど、気楽で楽しめたのだろうか。最初わくわくを感じたのはそれは一瞬だけでいやがおうにも、現実が迫ってきて、突きつけられる。水は食料は、この先の展望は。頭と意識がこの状況に追いつかなくなったようだ。
「流石に限界」
僕は壊れかけのベッドに倒れこむように転がり、そして疲れ果てて眠るのであった。
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