特異天
南雲ぜんいち
プロローグ
プロローグ①
ある日、ある時、とある場所で人類は出会った。宇宙人との
無知の知。それは外への扉、特異点へと至る門。
未知のウイルスは全世界へ
突然変異した肉体は宇宙・森羅万象に漂う
そしてそれから20年後────────。
「
地方都市の国道、そのど真ん中で暴れまわる巨大な生物。猪のような姿に大型トラックを連想させる
視界にソレを捉えた
「そうっス、先生の情報とも一致してます」
「アカン……あの宇宙生物キモすぎへんか?」
「
車に向かって触手を
「さっさと片付けて飲みに行くぞ」
「ほんま難儀な仕事やで」
師人が口火を切ると同時、
槍は横腹を突き刺し、刃はその背中を切り刻む。
「産声を上げろ」
そして先陣を切っていた師人の拳は首元にめり込み、その衝撃をもって獣を宙へと吹き飛ばした。
グアアェッ、と
小刻みにビクビクッと震わせ横たわるその姿には先程までの
「よっしゃ、討伐完了や!」
「
「先輩? どうしたんスか?」
清水が師人の顔を覗くと、その視線は真っ直ぐに倒れた獣。のその先へ向いていた。
動く気配の無い獣の後ろから、人型のナニカがコチラに近づいて来る。
ゆっくりと進み、そして横たわる獣を前にして、その生物はボソッと呟いた。
「□%¶*〽∌……」
言の葉を発するその生物は地球上に存在しない声帯と情報を放ち、そして落胆した姿を見せる。
「なんや
「敵……っスよね」
「銀河外の惑星人だろうな」
「飼い主ちゃうか? ペットにはちゃんと首輪つけなアカンやろ」
「めっちゃ怒っとるやん」
「お前が煽るからだろ」
相良はヤレヤレと肩をすくめ、師人はその肩を軽く小突く。そんな二人に清水は心配そうに問いかけた。
「先輩方……コレどうしますか?」
「決まってる」
「鉄板や」
三人に作戦を立てる暇など与えない。敵対する地球人へ敵意を放ち、人外は手の平を前へと伸ばしながら詠唱を紡ぐ。
「
放つ言葉に空気が歪み、膨大な熱が周囲へ集まる。人知を超えた力が殺意と共に向けられる。
しかしそんな術を前にしても、男二人は
「「宇宙の果てまでぶっ飛ばす!!!」」
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