第2話 カラオケ

わたしは10代の女子高校生です。

あなたに恐怖体験を語るのは、誰かに聞いてほしいからです。


それは去年の冬のことでした。わたしは友達と一緒にカラオケに行きました。カラオケというのは、歌を歌ったりおしゃべりしたりする場所です。わたしたちは楽しく過ごしていましたが、時間が来たので帰ろうとしました。


カラオケの店員さんが部屋に来て、会計を済ませました。その時、店員さんが「あれ?これは何?」と言って部屋の隅にあるテレビを指さしました。わたしたちが見ると、テレビには白黒の映像が映っていました。映像には女性が出てきて、井戸から這い出してきました。「リング?」と友達が言って笑いました。「リング」というのは、昔流行ったホラー映画で、井戸から出てくる女性に呪われる話です。


「これ、何かのイタズラ?」と店員さんが言ってテレビを消そうとしましたが、消えませんでした。「おかしいな」と店員さんが言ってリモコンを叩きましたが、効果ありませんでした。「すみません、ちょっと待ってください」と店員さんが言って部屋を出て行きました。


その後、何が起こったか覚えていません。気づいたらわたしは病院に搬送されており、友達も一緒でした。看護師さんに聞くと、「カラオケで倒れて救急車で運ばれてきた」と言われました。「どうして?」と聞くと、「心臓発作だったらしい」と言われました。


それ以来、わたしは夢も見ません。友達も同じだそうです。あのテレビに何が映っていたのか知りません。でも一つだけ分かることがあります。


あそこに行ってはいけなかった。

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