第4話 夜にさよならする記憶
私たちは夜の駅前で立っていた。私たちが今日過ごした楽しい飲み会を振り返っていた。
「本当に楽しかった」と彼女が言った。「こんなに素晴らしい夜をありがとう」
「同じことを思ってるよ」私は答えた。「今日は本当に最高の日だったな」
「もうこんなに楽しい夜はないと思う」彼女は悲しげに言った。
「そんなことはないよ」私は彼女の手を握った。
「そうだね」彼女は私に微笑んだ。
「永遠にこの日を忘れないよ」
私たちは長い時間、夜の駅前で立って話し続けた。
「じゃあ、さようなら」と言いながら彼女が微笑んだ。
「またな!」私は声を張り上げ叫んだ。
彼女が雑踏に紛れてゆっくりと消えていくのを見て、私は長い一日を思い出すようにうとうとしていた。
頭がぼんやりとしていた。今日の飲み会が楽しかったことを思い出して、私はそのことを忘れないようにと再確認した。今日の飲み会に楽しい思い出を作ったこと、友達と一緒に過ごしたこと、もっと話したかったこと、いろんなことが頭をよぎった。
私はそのことを忘れないと誓った。楽しい思い出を永遠に大切にしていこうと思った。
だけど、何故駅に来ているのかと思った。
何故かここに来ている理由が思い出せない。さっきまでの居酒屋からは歩いて家に帰れるはずなのに、なぜここにいるのだろうと思った。少し酔っ払ったのかもしれないと自分自身に笑いかけ、夜の街に向かって歩き始めた。
ただ鮮やかな色となった夜だけが、今も私の心に残っている。
<了>
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