第18話 タイムリミット
と言っても、人数は俺達に例の中年のオッサンを
他の人たちは
「私は
「俺は
そう言った俺は、一緒に机を囲んで座ってる仲間達を紹介していく。
「彼女はエルフのマリッサ。そして、彼女がウェアウルフのメイ。最後にこいつが、黒猫の
「これはこれは、こんなことになる前だったらぜひ
場を
ただ
「……
「ねぇハヤト。どうしてこのおじさんは笑ってるの?」
「オイラの知ってる、ザ・サラリーマンって感じのオッサンだな」
「……お前ら、もう少し
「まぁまぁ、
「
「そうだね。それよりも早く、本題に入った方が良いと思うな」
いや相変わらず冷たいなマリッサ。エルフは皆こんな感じなのか?
マリッサだけだと願いたい。
「
「そんな大げさな」
「いや
そう言う
「私達は数日前、あの連中に一度
「本当ですか!?」
「あぁ。だけど、少し前に起きた
「そうなのか……大変な目に合ってたのは、オイラ達だけじゃないってワケか」
そもそも、戦えるような人がいないように見えたし。
それなのに吉田さんは、特に表情を変えることも無く、俺に問いかけて来る。
「
「まぁ、ちょっと。大量のゴブリンに囲まれたり、
ちょっと
いや、
俺達と
と、俺の言葉を追いかけるように、メイが小さく
「……白いドラゴンも。だよね」
「ドラゴン!? そんなものまでいるんですか!? それは……なんというか」
「信じられないですよね。俺もこうなる前だったら信じられなかったですよ」
「そうですね。本当に、何がどうなってるのやら」
でも、このあたりで
「はい。とまぁ、こんなに変なことになってしまった世界を元に戻せるかもしれないって話をしたいんでしたね」
「そうです。正直、意味が全く分からないんですけど、
「簡単に言うと、
「うん。合ってるよ」
「
「ま、まぁ、いきなりそんな話言われても
と、そんなことを言った俺に、マリッサは少し頬を膨らませながら口を開いた。
「私は
「なるほど……それで
「はい。実は
そこで言葉を切った俺は、右手を前に
「……え? こう、って。
「はい。
「本当ですか!?」
「てっきり、どこかで
「それが、これ、手から外せないんですよね。完全に
「ま、まぁ、カッコいいんじゃないかな?」
「ありがとうございます。気持ちだけ受け取っておきます」
ドラゴンの
その途中で、マリッサと
アイオンの外にいたエルフを追い払ったこと。
彼がどこまで理解してくれたのかは分からない。ていうか多分、
それでも俺は、話を先に進めることにした。
「とまぁ、ここまでが状況の説明です。で。マリッサ。この話を吉田さんたちにしたのには、何か理由があるんだろ?」
「もちろん。吉田さん。知ってたら教えて欲しいんだけど。このあたりで強い魔物が集まってる場所とか見なかった? それと、白いドラゴンを見かけたことはある?」
「……そう言えば、私達を
「ここから東って言うと、山しかないな」
「東……もう少し情報が欲しい所だけど。
どうやら、マリッサの
と、小さく息を吐く俺達を、吉田さんが
「あ、あの、皆さん。差し出がましいのは
「どうしました?」
「さっきのエルフが言ってた南の
「ムリだよ」
「ちょ!? マリッサ?」
「なに? もしかして、助けに行ってあげるつもりだったの?」
「そりゃ、
「悩む必要も無いでしょ? って言うか、私達にはそんな
「でも」
これは
そう思った俺が、
「マリッサさん。少し教えて欲しいことがあるのですが、よろしいですか?」
「?」
「時間が無いというのは、どういうことですか?」
「っ!? それは……」
「まるで、この後に何かが起きるのを知っているような口ぶりですが」
確かに、吉田さんの言う通りだ。
「……マリッサ?」
「別に。何も無いよ」
「おいおい
「……はぁ。ほんとに何も無いよ。ただ、世界を元に戻すのに、タイムリミットがあるかもしれないってだけ」
「タイムリミット!? それってつまり」
「うん。世界を元に戻せなくなるかもしれないってこと」
彼女のその言葉に、俺達は何も言えなくなったのだった。
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