第34話 裏で起きてる事は

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部屋の中の時計はチクタクと進んでいく。

俺は南の大型の港を抱えた大都市ソイザアウルクロウ市を管理する市長の屋敷の応接間に通され、長い事待たされる。

なんとなく机の片方に乗せてた足を組み変える。


「ゴホン。隊長。いくらなんでも失礼だと思いますのでその格好を正した方が良いかと。」


わざとらしく咳をし、注意をするのは皇国陸軍特務連隊副隊長ヴァルラム・スピナーだ。


「知るかそんなもん。それよりヴァルラム。お前こそソファに座ったらどうだ?昨日ので左腕折れてるんだし怪我人を立たせてるのもあれだ。」


「私の事を気にしてるなら少しは姿勢を正して下さい。それに付き人が座るなどマナーがなっていません。なので結構です。」


やれやれ頭の硬い男だ。

怪我人だから宿で待っていろと言ったが隊長1人で行かせるのは特務連隊の名に泥を塗るものだったかで着いてきたんだよなぁ。

はぁー。仕事熱心なのは良いが優柔不断で困りものだ。


そう呆れてると応接間の扉が開いた。


「お待たせしました。待たせてしまい申し訳ありません。」


入って来たのは市長であるホレス・カレダー氏だ。


「今日は一体どのようなご用件で訪れられたのでしょう?」


「なーに、お前。国に隠れて違法な実験、人身売買してるらしいな。」


「なぁ!?」


俺はヴァルラムに合図を出して証拠資料を出させる。

その際ヴァルラムは失礼と一言断ってから床に鞄を置いて資料を机の空きスペースに広げる。


「な、これは、まさか!」


ホレス氏は資料に目を通していく。

資料に一つまた一つ読んでいくうちに目は見開いていき、汗をダラダラ出していく。


「こ、これは嘘だ!欺瞞だ!偽造だ!」


「そんなもん。お前が何言おうが関係ない。お前が犯罪を犯してたこの街の救貧院はそうだな。」


この部屋に飾られた時計を見る。


「もうこの時間は俺の部下達が施設を押し入ってる時間だ。それにこの作戦は裁判所にお前がよく頭を下げてる領主のサインは貰ってる。観念しな。大人しく身柄を拘束される事をオススメするよ。」


「くぅ!こうなったら!」


応接間の中を移動し、飾られてた絵画の裏を探る。

すると屋敷内に警告音が響き渡った。

すると部屋の中に市長の私兵が押し寄せ、俺達を囲う。


「お前たち!そいつらを殺せ!」


「はぁー!」


俺は大きく深いため息をする。


「ヴァルラム。どうするよ。これ?」


「呆れましたな。こんな練度の私兵で私達を相手にしようとは。」


「えーい!皆!やれ!」


周りの私兵共が襲おうとしてくる。

俺は両足に力を込め、机を一回転させ、片足で蹴りあげる。

高い天井に回転し、資料を撒き散らしながら飛んでいき、立ち上がって片手と肩でキャッチする。


「いやぁああふうう!」


机を棒術の要領で振り回す。

机に当たった私兵共は次々と殴り倒されていく。


「な、なんだ貴様は!?」


ホレス氏は化け物を見たように叫ぶ。


「俺か?俺は皇国陸軍所属特務連隊隊長テルツァ・リーマだ!覚えておけ!」


「ひ、ひぃ!」


ホレス氏は悲鳴をあげ、応接間から逃げ出す。


バリン!


私兵をあらかた片付けた時、ガラスを破る音が聞こえた。


「隊長。外で待機させてた第3小隊に合図の信号弾を撃ちました。すぐに屋敷は制圧されるでしょう。」


「あぁ、よくやった。それよりこれからホリス氏との追いかけっこだ。着いて来れるか?」


ヴァルラムは腰の小型魔導杖を引き抜き、素早く弾倉を出して弾が入ってるのを確認して腕を振って弾倉を戻す。


「無論です。」


「よっしゃ!行くぞ!」

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「市民の皆さん!危険ですので近づかないで下さい。」


現在我々は雨が降りしきる中、住民の安全確保をしてる。

それは救貧院を第2小隊と合同で襲撃してる時だ。

第1小隊の受け持ちである正面から襲撃し、順調に攻め込んでいた時、突然。


爆発が立て続けに鳴り響いた。


「自爆だ!退避ー!退避ー!」


小隊長として隊員に素早く退避命令を出す。

隊長として最後に建物から脱出後、建物を振り返ると救貧院は激しく燃え上がっていた。


「セイジ小隊長!ご指示を!」


この小隊の副隊長が指示を求める。


「ブレンダン!第2小隊と通信機で連絡をとって安否確認!その他は施設を囲って建物から逃げて来た人間を全員拘束!住民を現場に近よせるな!」


小隊全員の統率の取れた返事の後迅速に行動を起こした。

騒ぎを聞きつけ、近隣の住民が野次馬となって見に集まって来る。


「セイジ小隊長。雨が降ってますが、火の勢いがどんどん強くなっていきます。消防隊はまだなのでしょうか?」


「知らん!この街の消防部隊次第だ。」


「それにしても自爆とはそれだけ見られたくないものがあったんでしょうね。」


「あぁ、全くだ。今までこういう現場は何件かあったが自爆は経験がない。」


「これはドヤされるんじゃ。副隊長に。」


「あぁ、全くだ。今からあの人に怒られると思うと恐ろしいよ。」


部下と歓談していて少し気が抜けていた。

こんな勢いよく燃える建物にまさか思わなかった。


「待て!お前!止まれ!」


住民の安全を確保していた部下の1人声でようやく気付いた。


燃える建物に1人の少女が入って行った。

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