俺が好きになったのは1人の素敵な小悪魔なのに、俺のことを好きになるのは大胆な小悪魔たちばかりだった
Rui ji 6
第1話 元カノとはじめてのえっち
夜中、俺はなにかの感触で目が覚める。
布団の中で何かが動く。
抱きつかれている感覚だ。
「未知さん......?」
寝ぼけながら昨日の余韻で下の名前で読んでしまう。
(!)
そんなはずはない!妹のじんのだ。
「じんの?」
間違えて妹に未知さんと言ってしまった。
俺は完全に目が覚めた。
「眠れないのか?」
「………」
返事がない。
抱きつかれている感覚がじんのの大きさではない。布団の中をのぞく。
「えっ!」
そこには来未(くるみ)がいた。
それも下着姿だ。
(!!)
なんでくるみがここに!
おれは気が動転する。
くるみが俺の胸に顔をうずめて
ぎゅっと抱きつく。
「くるみ……?」
「名前のわからない人にも、未知さんにも
青(じょう)くんを渡したくない」
くるみの腕がもう離さないとしがみついている。
「…………」
(くるみがこんなに感情をあらわにするなんて……)
俺はくるみの頭を優しくなでた。
ほんの少しの間、くるみはおれに身体を預けた。
おれもくるみをそっと抱きしめる。
くるみが俺から離れた。
(もういいのかな?)そう思った瞬間、
くるみの唇が俺の唇に絡みつく。
フレンチキスではない。
ディープキスだ。
くるみの唇が俺の唇にまとわりつく。
上唇も下唇もくるみの唇で蹂躙される。
(!!)
くるみの舌がヌルッと上唇と下唇を掻き分けて
侵入してくる。
こんなに激しい、エロいキスは初めてだ。
おれを離したくない、誰にも渡したくないという気持ちが伝わってくる。
くるみはそのまま俺の首筋にキスをし始める。
くるみの手が俺のシャツの下から入ってくる。
「くっ、くる...!」
くるみの名前を呼ぼうとするが
くるみがキスをしておれを黙らせる。
舌が絡みつく...
くるみの強引さと想いに俺の気持ちも高まる。
くるみと入れ替わり上と下が逆転する。
くるみの唇を俺から奪う。
くるみの首筋にキスをする。
くるみは両腕を俺の背中に巻き付ける。
そのくるみのか細い腕からうれしさが伝わってくる。
「ブラ取って......」
くるみが恥ずかしそうに俺の目を見ながら言う。
俺とくるみは付き合っていた頃から身体の関係は持っていなかった。
フレンチキスまでしかしていなかった。
高校を卒業してお互いが大人として自覚できたときに初めてをしようと約束していた。
くるみは家族が誰もいない。
施設で育っている。
俺は妹のじんのと二人だけの生活。
お互い特殊な家庭だったので
初めての行為については慎重になっていた。
だからこそくるみがディープキスをしてきたときには驚きしかなかった。
『ブラ取って......』
その言葉は次のステージに進むと言うことだ。
くるみにここまでのことをさせてしまったのはおれだ。
くるみが嫌いなわけじゃ無い。
むしろ好きだ。
ただ、『シルさん』という俺では理解しきれない女性と出会ってしまっただけだ。
くるみと一緒になるのがくるみにとってもおれにとっても幸せなはずだ。そう思い込む。
「くるみ、外すよ...」
「うん...」
初めてのくるみの肌、
初めてのくるみの胸、
初めてのくるみの......
ふたりはお互いの身体を愛し合った。
「くるみ、挿入るよ」
「うん...」
お互い初めてだからぎこちないのは仕方ない。
挿入ようとしたときにくるみの顔が目に入る。
涙を流している。
それはうれしくて泣いている涙には見えなかった。
むしろ悲しい涙に見えた...
その涙が俺の心を苦しめる。
こんな形でくるみのはじめてを奪ってはいけない。
おれがちゃんとくるみを愛さないといけない。
その先にくるみと一緒にならないといけない。
「くるみ、ごめん...
こんな形の初めてはほんとはイヤだよな。
くるみをつらいを想いにさせてごめん」
くるみはせき止めていた涙が流れ出す。
声には出さないが泣いている。
くるみの頭をなでながらおでこにキスをする。
「くるみ、もうちょっとまっててほしい。
俺の気持ちの整理をつけてから
くるみとちゃんと向き合うから」
くるみはしくしく泣きながら一言だけ言う。
「待ってる......」
高校一年の春休みの出来事だった。
……………………………
あとがき
第1話をお読みいただきありがとうございます♪
第2話を読んでみようかなと思って頂けた読者の皆さん、お願いがあります。
はじめて知りましたが『☆レビュー1つ』でもあれば次の日の注目作品にアップされるみたいです。
毎日☆1を頂くことが大切だと知りました。
お手数ですが
『☆1つ』でいいので押していただけると助かります。
よろしくお願いします。
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