第380話 超激辛文化圏ー世界設定
高校生が激辛ポテチを食べて集団で病院に担ぎ込まれた、というニュースが先週流れておりました。
もう回復してるかとは思いますが、ご無事でありますように。
さて、このニュースをタイ人である嫁に話してみたところ、返ってきた反応は……
「食べてみたい」
これだからタイ人はっ!
タイ料理と言えば辛いというイメージをお持ちの方も多いかと思います。
私もタイで働いていたころ、現地スタッフらと晩御飯に行った時に痛感しました。
「メニューがタイ語オンリーでよく分からんから、なるべく辛くないのを頼んで」
「おっけー」
というやり取りのあと、来た料理を食べるとどれもこれも激辛。
「これは辛くないよ」
「嘘だっ!」
基準値が違うので、こういう悲しいやり取りが発生します。
結局、一番辛くないのがカニのカレーだったので、そればかり食べていました。
まあ、タイ生活するうちに慣れて、食べれる辛さの範囲が広がると共にちゃんと辛くない物をチョイスできるようになったのですけどね。
見た目は赤くなくても辛い料理があるのでコツはいりますが、慣れてしまえば毎日タイ料理でも特に問題なく生きていけます。
そんな慣れてきた状況でもヤバイと思ったのが、イーサーンのソムタム。
イーサーンというのは、タイの東北部。山がちな地形で、言葉も文化も独特。料理はタイの他の地方と比べても激辛。
ソムタムは未熟なパパイヤを使ったサラダ。タイ料理として有名ですが、元々はイーサーン料理だったのがタイ全土に広がったものだとか。
そんな豆知識を同行者に教えられながらイーサーンに行ったのです。
バンコクなどで食べるソムタムはパパイヤの白い果肉がベースで茶色い汁がかかっています。
が、イーサーンのレストランのメニューに載っていた写真は……
「赤いんですけど」
表面の9割が赤。1割ぐらいのぞいている白いパパイヤが、一応ソムタムなんですよと主張している状況。
タイに20年いるという同行者でも頼む前から諦めるぐらいに真っ赤でした。
激辛文化圏の向こう側に、唐辛子を「調味料」ではなく「野菜の一種」と認識してるような超激辛文化圏があるのだなと感心させられた出来事でした。
調べていると、「日本だとご飯+梅干しになる貧乏弁当がご飯+唐辛子。つまり、唐辛子かじりながらご飯を食べてる子供とかがいる」なんて記述も。
歴史的には一部の香辛料が極めて高価だったので、香辛料ゲットのために大航海時代が始まったりしているわけです。
一攫千金を狙った旅商人が香辛料原産地にたどり着いたはいいが、香辛料を野菜扱いして大量使用している現地料理を食べ、あまりの刺激の強さにノックアウト……なんて展開もあるのかもしれません。
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