第278話 占いAIーキャラクター
1月も4日になりましたが、やっと初詣に行ってきました。
妻が引いたおみくじは大吉。良い年になると期待したいところです。
実は私、おみくじを授与する側になった事がありまして。
通っていた高校の経営母体が某有名寺院なのですね。そのため、長期休暇時期には寺院の方から学校にバイトの求人が来ます。
かなりの倍率をじゃんけんでくぐり抜けて冬休みのバイトを手に入れた私達はまとめておみくじ授与所に置かれました。
元日の参拝客はかなり多く、おみくじを引く方もかなりの数。
六角柱の箱を逆さにして振ると穴から細い棒が出るので、それに書かれた番号のおみくじをお渡しする形式。
当然何度もやっていると番号と運勢の組み合わせを大体覚えてくる訳で。目を輝かせた子供の告げる番号が凶な事が分かってしまう罪悪感があったり。
大吉が出るまで引くという人も結構いました。そういう人に限って中々出ないのですけど。
大変だったのが、外国人のお客様。
日本人がいっぱい並んでて面白そうだから並んでみたんだけど、これ何? って状態。そして、日本語は喋れない様子。
「おみくじって英語でなんて言うんだ?」
「調べるから、時間を稼げ」
今ならスマホでいいんですけど、まだ無い時代のお話です。
数人が適当な会話で足止めしている間に、一人が鞄から電子辞書を取り出して検索。
「フォーチュンスリップだ」
「よし!」
と拙い英語とジェスチャーをフル活用して、今年の運勢を占うものだという事と、箱を逆さにして振って出てきた番号を告げるというやり方を伝えます。
やり方は理解してくれて番号も分かったのですが、そこで最終関門。
「でも、おみくじの内容分かるのか?」
「英語でも書いてあるから、大丈夫」
「観光地バンザイ!」
という事で、めでたくおみくじをお渡しできました。……今思うと、英語でおみくじの説明を書いて置いといてくれたら良かったのに。
頑張って対応したのを察してくださったのか、500円のチップまでいただきました。人数的に上手く割れなかったので売り上げの箱に入れちゃいましたが。
そういえば妻と沖縄旅行してた時も、妻が占いをしたがったので、占い師に「英語で対応できる?」なんて聞いた事がありました。流石にムリとのお答えでしたが。
占いの雰囲気も含めての翻訳となるとかなり難しそうですが、AIを訓練すればそこそこできそうな気もします。そうすると、やがてAI自身が占いをするようになって……。
占いは統計学だという主張もあるのですけど、AIなら本当にビッグデータにアクセスして統計的に運勢を占ってくれるかもしれませんね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます