第116話 世界観と世界設定ー創作論

 創作の舞台の設定を、『世界観』と呼ぶことが多いです。

 しかし、個人的にはこの使い方は好きではないのですよね。


 『世界観』は本来、ある人が世界をどう見ているかを意味する言葉。

 創作の舞台の設定は『世界設定』、つまりその世界の設定を意味する言葉で表すべきだと思うのです。


 同じ世界に生きていても、世界観は個々人に異なっています。

 木から落ちるリンゴを見て、

「大地がリンゴを愛しているからだ」とする人と

「二つの物体は互いに引き合うのだ」とする人は世界観が違いますが、

 万有引力の法則に従ってリンゴが落ちるという世界設定は共通。


 特に私は、「この世界では一般的にAだと認識されているが、実はBが真実」という設定が好きなのですね。

 この場合、Aが世界観でBが世界設定。

 世界観=世界設定の意味で使ってしまうとAとBが区別できないので困るのです。


 とはいえ、これはかなり定着してる使い方なので、あまり逆らわない事にしてますが。

 通じりゃいいのさ、通じりゃ。言語の変遷には、他人が使う分には寛容でありたいと思っています。

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