第102話 ダイラタンシーアーマーーガジェット

 異世界ファンタジーの冒険者たちは鎧を着てはいてもかなり軽装な事が多く、リアリティ嗜好派からしばしば突っ込まれるところであります。

 とはいえ、全身プレートメイルもそれはそれで普段から着るものではないしなぁ……

 

 ということで、薄くても防御力を確保できるのはないかなぁと考えていた時に、ダイラタンシー流体を思い出したわけです。

 ダイラタンシー流体は速度が速いものに対しては硬く、遅いものに対して柔らかいという性質があります。。

 つまり、武器による攻撃は速いので硬く受け止めてくれるけれど、自分自身の動きは遅いので柔らかく追従する。つまり動きやすさと防御力を両立できるだろう、と思うわけですね。

 調べてみたら、一応開発しようとしている会社がアメリカにあるようで。……試作品すら出来てないっぽいけど。

 現実で本当にやるのは難しくても、それなりの理屈が出来ていればリアリティは満足できるので、ありっちゃありかもしれません。

 その素材をどこから持ってくるかが、また一つの問題になるわけですが……


 なお、ダイラタンシーは水と砂でも条件があえば起こる現象。砂浜や沼地でも、動いている=足の動きが速い間は沈まないが止まる=足の動きが遅いと沈むということが起こりえます。

 信じて走り抜ければ渡れるが、怖くなったり疑ったりして立ち止まると沈むわけで、神通力の一種として伝承になっていたり。

 魔法がない世界でも使える理屈なので、そういうお話を書く方も頭の片隅に止めておいてはいかがでしょう。

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