第29話 オタクと親父ギャグと教養-創作論
数年前の事、社長が
「新製品の開発スピードを3倍にしよう!」
と発破をかけた事がありました。
その時の先輩社員の反応が
「じゃあ、技術棟を赤く塗って角をつけるか」
言うまでもなく、ガンダムネタ。
何かに反応して、ついアニメやマンガネタを返してしまう人は、一般にオタクと扱われます。
なお、技術棟は改装されませんでした(当たり前)
思いついたのをつい言ってしまうという意味では、親父ギャグも同じ仕組みなんじゃないかなと思ってます。
ある言葉から別の言葉を連想してギャグを作るのはよく使われる方法。それがあまり面白くなかった時に親父ギャグとレッテルを貼られるという仕組み。
言葉の脳内ストックが多いほど言葉から言葉への連想が発生しやすくなるので、ある程度年齢を重ねた人が言いやすい=おじさんが言うので親父ギャグなんだろうなと。
一方、ふと思いついた事を言っても、それが古典や名作に関連すると、教養ある人と評されます。
英語圏だと、シェイクスピアが強い。論文のまとめとかで、なんか妙な言い回しがあるなと調べてみたらシェイクスピアのモジリだったなんてことも。
清少納言は上司から「香炉峰の雪いかならむ」と振られて御簾を巻き上げてさせるというリアクションをしたと書いています。これは白居易の漢詩ネタ。でもこれ、Gガンオタ同士が会った時に
「流派東方不敗は!」
と振られたら
「王者の風よ!」
って返せるのと本質は同じじゃねと思う訳です。
余談になりますが、元ネタの漢詩は「左遷されたけど、田舎は田舎で悪くないからダラダラ楽しもうっと」って感じの詩なので、宮中の彼女らにはイマイチ合わない気もする。
要するに何が言いたいかと言うと、教養あるリアクションもオタ的リアクションも脳の動きとしては同じで、使用している脳内データベースが違うだけ。オタクは既にそういう思考回路があるので、後は古典をちょっとインプットしておけば教養があるように見える、はず。
ラノベを書く時も、チョロっと古典から一言二言引用しておけば、
「ん、この作者は中々教養があるな」
と思ってもらえるかもしれません。
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