3段目 階段掃除

掃除の時間、私(北階段)を担当する子どもが5人。


毎日観察しているので、だいたいの役割分担は分かった。

ホウキ2人。

ぞうきん3人だ。


ここで、困るのはぞうきん担当だ。

手が汚れるぞうきんは、毎回人気が無い。

さらに、階段という見通しの悪さから、さぼったり、そもそも掃除場所に来なかったりする児童もいる。


「ちょっとーAくん!真面目にふいてよね」


注意しているのは、同じぞうきん担当の少女Fだ。


「えー、だってぞうきん汚いしー」

少年Aは、ぶつぶつ言う。


「私も、我慢してふいてるんだから!」


しばらくして、何か思いついたように少女Fが言う。

「あ!先生きたよ!」


「やべ!ふきふきー」

あせるA。


「うそだよーん(笑)」


「なんだとー!」


言い合いの喧嘩が始まる…


そして、掃除時間が終わる。


毎日、お世話になっている私を、綺麗にして欲しい。


私がいなければ、君たちは、教室に行けないのだよ?

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