1段目 グーチョキパー
私の上で、二人の子どもが遊んでいる。
「じゃんけんほい!」
「やったー!」
どうやら、じゃんけんをして、勝った方が何段か上っていく遊びらしい。
「グーで勝ったからグリコやで!グ!リ!コ!」
勝った少年Aが3段上る。
「くそう!もう一回」
「じゃんけんほい!」
「へへーん。次は、俺や! パ!イ!ナ!ツ!プ!ル!」
今度は、もう片方の少年Bが6段上る。
この遊びは、私がこの小学校で目を覚ました56年前から続いている遊びだ。
この間、いくつもの名勝負を見届けてきた。
ちなみにチョキで勝つと、「チヨコレイト」だ。
そこへ、別の少年Cが、やってきた。
この少年Cは、最近転校してきたのだ。
「へぇー、この学校では、そうやって遊ぶんだ。僕の前の学校では、
グミ、
チョコ、
パイン、
だったよ」
なるほど、学校や地域によって、遊び方が少し違うのか。
Bが言う。
「それも、面白そうやな!Cも入れて、それで遊ぼうや!」
「じゃんけんほい!」
これは、なかなかの名勝負が見られそうである。
そこに、少年Dがやって来た。
「僕のお父さんの時は、
グータラシテ
チョットデモ
パチンコシタイ
だったらしいよ」
A~Cは黙ってしまった。
なるほど。
少年D。君は18年前にその遊びを考えた彼の息子だったのか。
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