怪しげなシェアハウスの日常
鬼藤 ハナ
1日目 お屋敷をシェアハウスにする!
大学1回生が終わり春休み
3月の初めのころ
この日は食堂で幼馴染の
事の発端は三輝が僕の自宅に来て「話があるから大学の食堂で昼飯食べないか?」と誘われたことである。
話については僕は何も知らない。
ただ知っているのは三輝は
長男はもう別の御屋敷に住んで父の不動産屋を継いでいるらしいからその流れで次男の三輝にも掟の通り、今は大学から電車で5駅進んだところにあるお屋敷に住んでいる。
僕は一回行ったことあるが大きくそして広かった。
それはとても1人では住めないほどに…。
正直言うと三輝が御屋敷に住み始めてから心配ではあった。
掃除をどうするのか、料理はちゃんとできるのかとか…その他もろもろだ。
そういえば自己紹介を忘れていた。
僕の名は医崎
医学に進む理由は当然、将来医者を目指しているからだ。
俺達が通っている大学、黒嶋学院大学は学科が5つあって、別名普通科と呼ばれて生徒が多い文学部、次に生徒が多いIT系の現代社会部、医学を学ぶ唯一の6年制の医学部、海外向けの人や優秀な成績の生徒が集まる特進部、留年覚悟の芸術家を目指す人が入る芸術部がある。
だから医学部があるこの大学を受けたのだけど…まさか幼馴染も一緒の大学を受けているとは思わなかった。
しかも今は合格し一緒の大学に通っている。
まぁ…同級生である三輝は文学部だけど…将来継ぐことがないって言ってたから普通に働けるところで働くんだってさ。
はたらかなくてもいいんじゃないかって聞いたけど、本人曰くそうでもないらしい。
まぁ一応男だからすぐ職は見つかるだろう…外見と口調を除けばだけど…。
「それで三輝、話ってなんだ?」
「私のお屋敷をシェアハウスにしたいの」
「シェアハウス?なぜ急に?」
「一人で寂しいからよ。あんな広い家で1人で住んでいたらだんだん寂しくなるのよ。だから一緒に住んでくれたらいいなって思ったの」
確かに三輝は口調はオネエだし、おしゃべりではあるから一人で寂しいのは分かる。でもシェアハウスにしてまで寂しさを和らげるとは思わなかった。
そこまで寂しがりやな人だったなんて…
「まぁ確かにわかるが…シェアハウスというのは急だな」
「急に思いついたの。思いついて相談しようと思ってそれを相談するとしたらで考えるのなら咲夜くんかなって思ってね」
確かに三輝はこういうオネエ口調だから友達が少ないのは僕も知っている。そうと考えると仕方ないか…仕方ない今回は付き合ってやろう。三輝のわがままに。
「わかった。とりあえず協力はしよう」
「ありがと」
「まぁ僕のアパートの家賃が払えてなくて、大家さんに追い出されそうになってる状態だしな」
「え?また大家さんに追い出されそうになってるの?咲夜くんの家賃って確か父親が払っているんでしょ?またなんでそんな…」
「こっちにもいろいろと事情があるんだよ」
僕の父親はいるにはいるがゴルフ好きの仕事親父であまり好きじゃない。
医者については母親が賛成してくれたから大学まで行かせてもらえたけど、その母も父に振り回されっぱなしでなかなか手が離せないのだ。
家事しかさせてもらえないしパートも入らせてもらえないから僕の授業料は払えないって言ってたからな…まぁ大学の特待生に選ばれたことでそういう心配はなくなったけど。
一応父が「学校遠いのならアパートは借りていい、家賃は払うから」って言ったのに、家賃を払ったのは最初の2回だけで後は1度も払ってくれない。もうあの親父を信用したくなくなってきているのだ。
「じゃあシェアハウスした方が負担少なくて済むってことかしら?」
「そうなるな…一応コンビニのバイトはしているがあまり稼げるわけではないし…」
「そうねぇ~なら善は急げ、早速シェアハウス計画に取り掛かるわよ」
「それ今からやるのか?」
「当り前じゃない、やるなら早い方がいいでしょ?」
確かにそうだ。早い方がいい。
問題はあのお屋敷に何人シェアハウスできるか。上がった時部屋の全体図だけは詳しく見てなかったからな。
「まずは御屋敷を見て何人ぐらいならシェアハウスができるか決めるか」
「そうね…部屋全体を見ておかないと」
「見ておかないとって…まさか全体を把握してないのか?」
「ええ、キッチンと自分の部屋、風呂場と洗面所…トイレの場所ぐらいしか確認してなかったから」
これを聞いて僕はため息をついた。まさか住んでいる自分が必要な部分しか確認してなかったとは…これは僕が直接行って確認しないとダメだ。
「わかった。じゃあ確認しに行こう、何人住めるかどうかをな」
僕は昼飯を食べ終わらせて席を立つ。
三輝の御屋敷に行くなら今から行かないと…あれだけ大きいし広いのなら確認するのに時間がかかりそうだ。
電車に乗り4駅ぐらいのところでトンネルを抜けると窓から景色を見えいつみても木ばかりで不気味に感じだ。
「にしても…ここに御屋敷があるなんて…普通思わないよな?」
「確かにこの駅、私以外、ほぼ誰も降りないわね」
駅から降りるとすぐに商店街があり意外と賑わっている。
その商店街を抜けて少し歩き右に曲がると住宅街がありその途中に敷白の別荘の一つの御屋敷があった。
「久しぶりに来たがやっぱり住宅地には見合わない御屋敷だな…目立たないのか?」
「昔からあるから近所の人は気にしてないそうよ」
三輝がそういいながら玄関の門を開ける。
家の中に入り部屋全体を見る。
部屋割りは、入ってすぐ玄関があって廊下を通ると大浴場があってその隣にトイレ。その後廊下を通るとキッチンとリビングがあるリビングはかなり広く、大きなテーブルもあってしっかりと大きなテレビもある。
リビングの隣には2階に上がる階段があり、階段を上がると使われていない個人部屋がいくつかある。
一応、三輝の部屋は端っこにあるようだ。
「部屋は6つあるみたいだな」
部屋の数を確認し僕はリビングの椅子に座り部屋割りを描く。
「じゃあ後6人の同居者を集めたらいいのね」
「そうだな…5人の同居者を集めたらいいな。なるべく同じ大学に通っている人か近くの高校や大学に通っている人がいいかな?」
「そうね…って咲夜くんまさか、ここ住むの?」
5人という言葉に三輝は驚いた。
「ああ、家賃の貯まりが増えて追い出されるよりかはマシだ」
「なるほど…」
まぁ屋敷の部屋割りを描いたときに住み始めることは考えてはいたし、家賃貯まって追い出さるよりかはいい。
それにいつまでたっても家賃を払わない父のことを心配せずに済むからね。
僕はそんなことを考えていた。
「とりあえず今週中に荷物を置いてここに住み始めるよ。部屋は三輝の隣でいいか?」
「構わないわ」
「わかった」
部屋割りをすべて描き終えると僕はその髪を鞄に仕舞った。
「じゃあそろそろ日が暮れるから帰るよ。一週間後また来る」
「わかったわ。ちゃんと掃除しとくわね」
御屋敷を出てそのまま帰り引っ越しの準備を始めることにした。
一週間後、僕はこのお屋敷に引っ越してる。
この時、僕は、半年過ぎるまではまさかシェアハウスのメンバーが個性的のいわくつきのメンバーになるとは思わなかった。
さらにまさかこの異怪橋駅の秘密も知ってしまうことになるとは…。
おっとこれについては追々話していくことにしよう。
全てのことが分かるまではこの秘密は話さない置きたいからね。
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