津波で死んで、ずっと私と隣にいて。ずっと君といたい
白黒
プロローグ 〇〇年前
日本のとある町にて
大規模な地震が発生
海は何メートルにまで上がり
その町のの海岸に津波が押し寄せる
これは
津波が押し寄せてきたときの学校の一部始終である
「なにが.....起こってるの?」
ある高校生女子は窓から、海を眺めてそう言った
大規模な振動が起こったのち、海の方から水が大きく動く音が響く
天にまで届きそうな波はCGとしか思えないほど荒々しく映る
止まらないその波は防波堤を軽く破壊し、町を壊す
その膨大な水は遮る建物を次々と壊し、次へ次へと進む
大きいも小さいも関係ない
その圧倒的な自然のエネルギーの前になすすべもなくやられていくしかなかった
最初はその波は水だけだったものの
家具や車、コンクリートや木材
あらゆるものを巻き込んで、進めば進むほどより大きな力となっていく
この世の終わりに見えたのだろう
その女子は目を点にして、ただ茫然と見つめるしかなかった
「あ.....」
あるのは願いのみ
生きたいという願い
だが、その願いもむなしくその波はその女子がいる学校にまで到達する
校内が人の声で溢れかえる
絶望、恐怖、戦慄、悲しみ、無力感
様々な人の色で溢れかえる
そんな思いも知らず、その波は窓や壁を破壊し
校内へ侵入していく
この世の終わりともいえるべき光景に女子は膝から崩れ落ちた
「.....お願い」
やがて手を握り合い願う
生きたいという願い
目を閉じて心を無にする
その女子は大波に沈んでいった
2020年
波に沈んでいった町は今や復興し、活気にあふれている
だが、その町で奇妙な噂が広がる
『夜の海岸にて、少女が泣いている声が聞こえる』という噂
津波から〇〇年後
海岸で少女が一人孤独にすすり泣く
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