蕎麦職人の恒例行事




 植物の蕎麦で作られた畳の上で正座になり、今が見頃の蕎麦畑を一望する。強い風が吹くたびに、高い背丈の蕎麦が右に左に前に後ろにと大きく揺れ、小さくて白い花の花粉目当ての昆虫も忙しなく飛び交う。お世話になります、どうか倒れませんように。深々と頭を下げた職人は手を傘にして青空を見上げた。






(2023.9.24)


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