第2話庵 一誠との出会い
「美味い」
目の前には蕎麦がある。夜迦さんに奢ってもらった飯だ。僕は何回もおかわりする。
そんな豊かな食べ物を食べている隣では喧嘩が始まっていた。
「庵君、いいじゃんお金くらいさぁ」
ふざけた感じで庵らしき人物に話しかける夜迦3。
「いやだ。お前の連れだろう、お前がどうにかしろ」
それでも引き下がらない夜迦さん。
やれやれと言って庵らしき人物が引いた。
「わかった奢ってやる、だが絶対返せよ」
「そうだ少年自己紹介を始めよう。私は庵 一誠言うのも難だがこの馬鹿夜迦との相棒関係にある」
綺麗な純白な髪に青白い肌、そして眼鏡をつけている。
自己紹介が終わったあとの静かな空間に着信音が響いた。音の源に注目するとその音は庵さんの胸ポケットから鳴っていることに気づいた。
庵がすぐに対応する。
「はい庵です。」
『庵、お前達の居る所の近くには鬼神組団の小規模組施設があった筈だ。そこで今内戦が起きているとの情報が入った。鬼神組団組員を全て直ちに捕まえろ。』
「はい了解です」
僕は鬼神組団の内戦についてわかんなかったので夜迦さんに聞いてみた。
「鬼神組団って内戦が多いんですか?」
「鬼神組団はね、とても強く強靭なのだよ。そしてそこでは権力争いが起きる。強い権力を持つ者は戦わないが弱い組員達は政党の様に組を作って争う惨めなのだよ。」
その後僕たちはその鬼神組団小規模拠点に行った。
現場に着いた。そこではまだ銃撃戦が起きていた。僕は少し怖気付く。
「大丈夫だよ、参人君、私達がついているから。」
「お前が言うな」
とツッコミが入る。
「じゃあやるぞ。」
「はいはい庵君」
夜迦さんと庵君が戦闘体制に入る。僕はすぐにしゃがむ。
「ねぇ君達、僕と遊ばない?」
銃撃戦の中全ての人の視線が集まる。銃弾が夜迦さんに飛んでくるが全て避けた。
【能力・・時間宿リシ者 時刀】
庵さんの目の前に光を纏った刀が現れる。そしてその刀を庵が持った瞬間に、1秒も無い時間の一瞬で敵が全部戦闘不能になった。
庵はすぐに警察に電話し始める。
「夜迦さん、何が起きたのですか?」
「時を弄ったのだよ。」
「時を弄った?」
「そう決して時を止めている訳では無いがね。庵君の能力【時間宿リシ者 時刀】はね、時刀を持っている間だけ能力者以外の体感時間を遅くし使用者のスピードを十倍以上にするのだよ。だから目からは一瞬で見れても全てに攻撃を同時に与えている訳ではない。ただ早くなった時間に相手を一回一回切っているだけなのだよ。」
そんな事を話している内に警察がきた。
一件落着かと思い安心していた時に後ろから爆発音が聞こえた。その瞬間夜迦さんが言った。
「参人君、逃げろ
死
ぬ
ぞ 」
後ろには黒い帯を巻いた和服を着た顔は長い前髪で見えない男がいた。
【能力・・黒魔空間維持】
その男がそう能力を発動した瞬間自分達の周りに空間が出来た。庵は警察と話していたからかこの空間に入っていなかった。
「こりゃあもう逃げるのは無理だ。」
「どう言う事ですか?」
笑いながら言う夜迦に僕は質問する。
「奴はねら鬼神組団 幹部 佐久間藤樹だよ」
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