第36話 捜索
あの後、水元先輩は告白してきたのが嘘かのように、普通に話してくれていて、私はそこで困惑したけど、いつもの先輩だったから普通に話していた。
「にしても、焚翔遅いよな?」
「そうですね。どうしたんでしょうか?」
「連絡してみる?」
「そうですね。私がかけてみます」
「うん!よろしくね!」
私は焚翔先輩に電話してみたが、出ることは無かった。
「…出ないですねー。」
「そっかぁ…もう少しだけ待ってみる?」
「はい!」
それから更に30分ほど待ってみたが、中々来ないのでもう一度電話してみる事に。
「どう?出た?」
「うーん…出ないですね。」
「じゃあ…探しに行こうか?」
「そうですね!」
「どこから探しに行こうか?」
「まずは屋上じゃないですか?」
「よし!レッツゴー!!」
私と水元先輩は屋上に探しに行った。
「うーん…居ないですねぇ…」
「ここならいると思ったんだけどなーっ」
「次、どこ探しますか?」
「次かぁ…保健室!」
「保健室?」
「たまに寝てるんだよなー」
そういうことで、保健室にも行くことになった。
「失礼します!」
「誰も居ないみたいだね」
「ここにもいないんですね…」
「あとは…うーん…」
「…体育館」
「へ?体育館?」
「はい、前に体育館にいるの見たんですよ」
「よし、じゃあそこに行こう!」
私たちは最後に体育館を見に行くことにした。
「ここにも…居なさそうですね。」
「…倉庫とかは?」
「一応、見てみますか」
私と水元先輩は体育倉庫の中まで探しに行くことにした。
「やっぱり居ないですよねー」
「だねー。とりあえず、教室戻ろうか?」
「そうですね、もしかしたら教室に来てるかもしれないですからね!」
私たちはすれ違いになったのではないかと思い、体育館倉庫を出て教室に向かおうとした。
その時、タイミングよく倉庫のドアが閉まる音がした。
ついでに鍵がかかる音も聞こえてきた。
「「え?」」
「開かない…」
「う、嘘ですよね!?」
「ガチで…」
「「…」」
「先輩、どうしましょう…」
閉じ込められたことに不安を感じて、泣きそうになっていた私に、水元先輩が。
「大丈夫、きっと誰かが気づいて開けてくれるよ。とりあえず待ってよう」
「はい…」
水元先輩は近くにあったマットをひいて座っていた。
「詩ちゃんもこっちおいで?ずっと立ってても…ね?」
「そうですね」
私は水元先輩の隣に座って誰かが扉を開けてくれることを期待して待つことにした。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます