第4話 体育館

翌日の放課後。

私は先生に頼まれて体育館の鍵を閉めてくるように頼まれた


「もう!なんで私なのよ!由莉も咲枝も用事があるって帰っちゃったし…」


渋々、体育館に向かうと誰かが使っているのかボールの音がして来た


タン―…タン―…タン―…


「あれ?誰かいるのかな?声掛けなきゃ…」


私はそう思って体育館の扉を開けるとそこには…


「八神先輩…」


バスケットボールでドリブルしている八神先輩がいた。


そんな先輩がカッコよすぎて私は少しの間魅入ってしまった。


「…誰?」


「あっ…こんにちわ。」


「あ…葉山?」


「はい!覚えていてくれて嬉しいです!」


「まぁ、人の名前覚えんの得意だし。」


「そうなんですね」


「で、何しに来たの?」


「そうでした!実は…」


私はなぜ体育館に来たのか、その理由を八神先輩に話した。


「そうか。今ボール片付けてくるから待ってろ」


「あ、はい!」


八神先輩はそう言って体育館倉庫に向かった。


残った私は体育館の真ん中で何を思ったのか、仰向けで寝転んでみた。


「…は!?なにやってんの?」


「誰もいない体育館で寝転んでみたかったんですよ」


「お前、変わってんな」


「先輩もどうですか?」


「…」


八神先輩は何も言わずに私のところに来て隣に寝転んだ。


私はどうかと提案したけど隣に寝転んだ先輩からすごくいい匂いがしてドキドキしてしまった。


少し先輩と寝転んでいると…


「…お前、なんでここに来たんだっけ?」


「…体育館の鍵を締めに。」


「…そろそろ行かねぇと怒られるぞ?」


「そうでしたっ」


「んっ」


そう言って先輩が立ち上がったのを見て慌てて立とうとしたら、先輩が手を差し出してくれた。


「ありがとうございます」


「さっさと行くぞ。」


「はい!」


私が慌ててポケットから体育館の鍵を出すと、私の手から先輩が鍵を奪っていった。


「あっ…」


「お前、鞄は?」


「教室に置いてあります」


「そうか。俺が鍵返しといてやるから先帰れ」


「えっでも…」


「女なんだから明るいうちに帰れ」


そう言って先輩は鍵を閉めるとさっさと職員室へと向かって行ってしまった。


「むー…」


私は自分の鞄を取りに行くと急いで先輩の下駄箱に向かい待つことにした。


下駄箱に着いてすぐに先輩が来た


「は?お前なんでいんの?」


「お礼が言いたくて…」


「別にいいのに…送ってく」


「え!?」


「家どこ?」


先輩に家の場所を教えると家まで送ってくれた。


「ありがとうございました!」


「おう。次からは早く帰れよな」


そう言って先輩は一瞬笑って頭をポンポンして帰って行った。


「先輩にポンポンされた…」




.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る