第15話
「それじゃあ、皆様、グラスを手に。せーの」
「「「
「イェーイ、センキューエブリワン!」
なんか、優奈が若干うざい。まぁ、いいけど。
こうして、
幽霊に誕生日を祝う意味があるのか、疑問ではある。年取るのか、幽霊……?
いろいろと思うところはあるが、とりあえずご
優奈が好きな唐揚げにポテトサラダ。それに、エビピラフとコーンスープ。ご機嫌な食卓だった。
ちなみに倫理さんは、優奈と一緒に特撮見てた。行けー、じゃないんだよ、まったく……。
その倫理さんは現在、ビールをあおっていた。子供の前なので、自重して欲しい。いや、無理かな。倫理さんだし。
ビールのがぶがぶいっている倫理さんの横では、優奈がご馳走をがつがついってる。
「……優奈。誰も取らないし、おかわりもあるから落ち着いて食べろ」
「もふぉっふぉ!」
……分かった、かな。
「優奈ちゃん。口の周りが……」
北上先輩が、優奈の口を
本当に親子みたいだな。
思えば、優奈と過ごしているうちに北上先輩とも親密になったし、倫理さんともよく話すようになった。
不本意ながら、良いことなのかな。
一人暮らしで、友人たちとバカをやるのもいいけど、優奈とぎゃあぎゃあと騒ぐのも楽しい。
年の離れた妹ができたみたいだ。
……おっと、忘れないうちに渡しておくか。
「はい、優奈。これ」
俺は、ラッピングされた箱を手渡した。
だが、優奈は不服そうだ。
「……どうした?」
「ムードがない」
「は?」
思わず、首をかしげてしまう。
「いい?
「はーい、プレゼント没収でーす」
「にぎゃー!?」
相変わらずのバカ騒ぎだった。
10分くらいぎゃあぎゃあとやった後、優奈にプレゼントを渡す。
素直に最初から受け取れよ……。
「わ、ネックレス!」
早速、いそいそとネックレスを優奈が付けた。
「ね、潤一、似合う!?」
「ああ、似合ってるぞ」
良かった。喜んでくれたか。
北上先輩と一緒に選んだかいがあったな。最終決定は、俺にゆだねられた時はドキドキけど。「最後は絶対
そんな時だった。
俺の携帯電話が震えた。表示された名前を見て、緊張しながら電話に出る。
『おっすおっす、
「また、それですか」
『さて、阿部君……』
論理さんは、ひと呼吸おいて、言う。
『優奈ちゃんの調査が終わったよ』
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