第8話
「神様って、もう少しこう」
「はいぃ~そうですねぇ、寿様なんかはそれですかねぇ」
どれだよ、と言いたいが話をふった新としてはそれ以上突っ込めないうえに、思わず素直に感想を漏らしてしまった。
直後に、この人が本当に神様ならば今かなり失礼な事を言ったのではないだろうかと、新は背中に嫌な汗をかき始め、顔が引きつる。
「ああ、大丈夫ですよ。私、言われ慣れてますから」
「・・・・」
新はこれ以上何を言えばまた失言しかねないと思い何も言えなかった。
未菜はと言えば、そんな新をあらあら、という感じで優しくみつつミアに向き直ると、再度旦那様という人物について楽しそうにおしゃべりをし始める。
ミアはと言えばお茶を一緒に飲みつつ、談笑し始めていた。
「ちょっと待てオイ」
「何ですか新さん・・・・」
「なんで客と一緒に談笑しながらお茶してんだお前は」
「え、良いじゃないですか。私スタイルです」
私スタイルは言い、だが接客相手が神様?らし人だというのに、なんだこのほわわぁ~とした空間は!
新は恐る恐る未菜を見ると。
「私は構いませんよ。それに喉が渇いちゃいますし、一緒の方が楽しいじゃないですか」
「自由すぎる・・・・」
そう思いながらも、どうやらこのスタイルがいつも通りなのだろう、ミアは自然体だし、未菜さんは特に気にしている様子でもない。
新だけがなぜ怪物の様な気がして、間違っているのはお前だ、と言われている気持になったその時だ、スッとティーカップが自分の立って居る目の前に出され。
「新さんもお話に参加するのですよ」
「えぇぇ」
半強制的に新も参加を促す様に目の前にティーカップが置かれてしまい、未菜さんとミアが同時に同じような微笑を浮かべたので、新はもはや逆らう術はないと思い、諦めてそれに従う事にしたのだった。
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