【〈Berserker of Eden 〉チート殺しの異世界追放代行人】―楽園追放、断罪執行、異世界トラベラー皆殺し―

渦目のらりく

プロローグ


 神の創りしその園に、何人も近付いてはならぬ。

 そこは赦された生命のみの楽園。

 そして遥か遠く、終わった世界の黎明。

 いかなる者、いかなる神々であろうと、赦されざる者立ち入れぬ。

 あらゆる者の力も及ばず、完成された秩序だけが循環する新世。


 二度目の創生のエデン。


 だがかつて、その園に蛇が入り込み、生命に罪を吹き込んだ。

 故に次こそは、完成された無垢なる生命の誕生を。

もし仮に、その不可侵領域への侵入者があったらば

それらには皆すべからく神罰が下るであろう。

 

 徹底として冷酷に、あの槍の様に無慈悲にして。


 それは十三名の神罰代行人。

 断罪執行者の手によって。




 殊更ことさらに、十三番目の代行人――ユダの異名を持つ神父に目を付けられてはいけない。


 彼の者はヒレの様な髪を逆立て、獣の如くに歯牙を剥き出しながら、その背に重過ぎる罪過を背負って引き摺って来る。

 まるで愛娘の仇かの様に、侵入者を恨み、地の果てまで追い掛け回す。


 秩序の為にと叫喚しながら、無秩序に……


 その男の名は――――

 


 ヘルヴィム・R・ロードシャイン

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る