第10話 扉を開けて


門をくぐれば


一人の老人が

背を屈めて

数日間の溜まった落ち葉を集めている姿


私は

おはようございます

と声を掛け


はて

この人はどこから来たのかと思う


鮮やかな色の花びらと混じり合った

その落ち葉を袋に詰めながら

少し気になりましてね

とその人が笑顔で答える


私は

お疲れ様です

と再び声を掛け

家に入ろうとするが

どこから吹いて来たのであろうか


振り返れば

少し冷たい風が

老人が去ったその場所に

再び花びらを舞い落としていた

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