21 確

 ――所望したのは、あなたじゃないの?

 ――そのきっかけを作ったのはきみだからな。

 ――まあ、いいわ。じゃ、交代。……って、ああ、重い! あなた、太り過ぎじゃないの?

 ――太り過ぎだったのは数年前だな。でも、その時期のことをきみは知らない。

 ――へえ、そうなんだ。だけど、今だって当時よりは重いでしょ?

 ――食べることが好きだからね。

 ――そして運動がキライ。……まんま同じね。

 ――でもきみは太らなかった。

 ――当時はね。ご飯をたくさん食べられなかったし、すぐにお腹を壊したし……。今考えると嘘みたいね。

 ――確かに今のきみの尻は当時のきみより重そうだな。

 ――確かめてみる? わたしの身体で重くなったのはお尻だけじゃないわよ。


 それから一旦、二人でわたしが現在住む共同住宅に向かう。ホテルを選んだり、部屋を予約したりすることが面倒だったからだ。さらに元カレは当然のように、今家族がいないからって、きみを家に上げるわけにはいかないだろう、と言ったが、言うまでもなく、そんなことはわたしにもわかっている。わたしがわかっていることを元カレもわかっていたと思うが、一応確認しておきたかったのだろう。相変わらずな相変わらずなヤツだ。

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