我が弟は愚かである
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我が弟は愚かである
つまるところの愚弟だ
もう少し、詳しく説明しよう
我が弟、
え、まだ足りないって?
しょうがない
私の名は
愚弟との付き合いは今年で‥‥‥15年? 15年になる
ほぼほぼ生まれてからの付き合いだが、愚弟を好意的に思ったことなど一回もない
巷で人気の禁断の姉弟愛などとやらはもってのほかだ
ありえない
そも、あいつは馬鹿で愚かで阿呆で愚鈍で頭がくるくるぱーなのだ
簡単に叫ぶし騒ぐし、年中、アホ友達に影響されたのか、よくわからない歌みたいなのを歌っているし
この前なんかは「ねぇ~、いま、どんなき・も・ち~」などとノリノリで歌って私の事を煽ってきやがった
これに返すなら「気持ち悪いって言うき・も・ち~」だ
キモイ
何回も同じことを繰り返されることほど、イライラすることはない
あいつが賢くなることなどないと思っていたが、本当にその通りになったな
高校生になって、Vtuberとやらになってもバカ騒ぎをしている
どうやってなったのか心底疑わしい所ではあるが、こちらに金を落としてくれるのであれば、多少は‥‥。多少は!! 我慢する心づもりだ
心底、世間の姉弟、兄妹にお聞きしたい
‥‥‥男子とは
‥‥‥弟とは
こういうものなのだろうか‥‥‥、と
正直、こんなにもバカなものなのかと、不思議な気持ちだ。毎日?マークを浮かべている気がする
まぁ、「だったら、お前は天才なのかよ!」と聞かれたら、そういう訳ではないと断言しよう
『愚弟』には、愚かな弟という意味の他に、“愚かな私の弟”と言う意味もあるからだ
あぁ、勘違いしないでほしい
別に弟のことをへりくだって言っているわけではない。もちろん、ここまで読んだきたのなら分かっているだろうが
賢者は自分のことを愚かであるというのだよ
これを言ってしまったら台無しだろうが、別に良いだろう?
む、弟の部屋の方がなにやら騒がしい‥‥‥
オカシイ。あまりにも愚弟の配信時の声がうるさいからと、あいつの初給料その他諸々をぶんどって、防音費に充てたのだが、何故だろう‥‥
性能は十分だったはずだがナ~‥‥‥
チッ
あいつ、とうとう、極大の音量で叫びやがった
この家全体に響くような音量ではないが(防音により、いくらかカット済み)、敏感になっている私の耳は誤魔化せない
オカシイ、オカシイ
あいつには何回も、何万回も言っているはずなのだがナ~
よし、乗り込もう
後の私は語る
あの時は完全に、怒りに理性が負けていた
ビーンと怒りの方に全振りよ~
流石の私でも配信中に乗り込むような真似はしないが(そのぶん、終わった後にねちねち小言)、あの時は関係なし!だった
漣雪菜、一生の不覚
ん? 今は夕坂冬火? ちょっと黙ってろ
‥‥いや、黙りやがれください
ほら! だから神様!
こうやって反省してるでしょう!
なのに!
なんで、許してくれないのだ‥‥‥
なんで!
なんで!
こうなった!!
「ギャアアアァァ~!! 死ぬ死ぬ死ぬ~~!!!!」
『怖がりすぎじゃね?www』
『初回がホラゲってwww』
『弟が殺しに来たなw』
『草』
『可哀そう』
『でも、なんだかんだ言ってあいつの姉だし』
『だなww』
『立派にVtuberしてますな~(後方姉は俺が育てた!顔)』
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