第10話 階


これは3年前の話。


不動産で働いていた私は仕事終わりに自宅へと帰ってきたときにベランダがあけっぱなしだったので閉めようとしたのですがその時に向かい側のマンションの同じ4階にいる住人に目に入ったのですがなにかもめてるようでした。


いかにもカップルの同棲という感じでした。


ただ見ていて気付いたことが。。。



二人がそれぞれの部屋に別れたあと遠くからみえるのですがリビングに明かりが灯り

その中心にもう一人女性が立っていたのです


そのときはほかに住まれてる人がいるのかと思ったのですが


そしてまた次の日、仕事から帰って自宅でのんびりと本を読んでいました。

気づけばカーテンも開けた状態になっていたので閉めようとしたのですが

また向かいがわのカップルの部屋を見ると


今日はふたりとも仲よさそうによりそってリビングにいるのですが

昨日のもうひとりの女性は。。。。


また昨日と同じ場所で立っていたのです


カップルの行動をみるとぜんぜん気にしてない様子。


というよりその女性の存在がみえてないのか、なにか怖く感じてしまいカーテンを閉めました。


それでも、その日はなぜかやたらと向かい側の部屋が気になってしまい、また仕方なく。。


時間が23時ぐらいまわったころでしょうか


カーテンをすこしあけ向こうの部屋の様子をみると


部屋は真っ暗でもう寝てたのでした


ふと気になったリビングを見ると


やっぱり・・・


あの女性がまだ立っていたのです


なんでだろう・・

わたしだけ見えてるのかな・・・


と思っていました


そんな生活がずっと1ヶ月ほど

続きました


同じように向かい側の部屋をみるといつもの場所で女性が立っている


そしてある日のこと


そのカップルがケンカをしはじめて


男性ひとりがリビングでテレビをつけたのですが


その立っていた女性が動き始めたのです


ゆっくりと・・


リビングでビールを飲んでいる男性の身体を


すっと・・・通り抜け


「え?」


その女性は


わたしのことを見ていたのです


向かい側の部屋から・・・



ジーーっと見つめてるのです


とっさにカーテンを閉めて目をとじました



怖い!!怖い!!

頭の中でずっと思っていました


身体は震えており

ガタガタ・・・


でも向かう側がきになって

しょうがないのです


ちょっとだけ開けてみると


あれ??


その部屋にはもういなくなっていました。

あっけにとられた私でしたが


次の日もまた同じように


その部屋をみるといないのです


なんだったのだろう・・・


そして早朝に5階にすんでいる

仲のいい家族持ちの奥さんとエレーベータの中であったのですが、


こんなことを言ってました


「わたしの向かいのビルだけどね、向こうからなにか視線を感じるのよね」


と奥さんはいったのです。


何階ですか?と聞くと「5階」と


え・・・


そうなのです、あの見た女性は5階へと移動してたのです



すると次の階となると・・

屋上??



その後ですか、

マンションの屋上から飛び降り自殺をした人がいたとか・・・


あの霊はなんだったのだろう・・・

屋上で飛び降りでもした霊なのでしょうか。


今でもその女性のことを思うとぞっとします



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