夏休み

今年の天候はかなり変だ。梅雨が明けたのは夏休みに入ってから、うだるような暑い夏がやってきたのだ。しかし、俺の心はいまだに梅雨模様だ。あのキスの日から沙織さんはかなり積極的になっている。その積極さにペイペイちゃんも思わず引いてしまっている。

俺はというと一人学校へ来ている。沙織さんもついていくと言い張っていたのだが、彼女は来ても外で待つしかないのだ。期末試験で成績が悪かった俺は補習授業を受けている。補習授業には知っている奴は誰もいない。


「めぐみくんて、そんなに成績悪かったっけ?」


あの時のせいとは沙織さんには決して言えない。いつもならこんな補習聞く必要もないのだから、ただ、あの日はかなり動揺していたのは間違いなかった。


「たまたまだよ」


「そう…待ってるから」


彼女は図書室で待っていると言っていた。補習1時間目が終わると亜里沙ちゃんがやってきた。実は彼女も補習を受けていたのだった。


「めぐみくんも補習なの」


「そうでけど」


「よかった・・・知り合いがいて」


こうして補習が終わった後、亜里沙ちゃんと一緒に教室を出て図書室へ向かう。彼女も沙織さんが図書室にいると聞いてついてきたのだった。しかし、それを見た沙織さんは


「どういうこと?」


怒りはじめたので、亜里沙ちゃんは慌ててフォローに回った。


「さおりん・・・たまたま、補習が一緒になっただよ」


「そうなの」


沙織さんはようやく機嫌を直し、俺たちは一緒に帰ることに、しかも、手をつないで・・・彼女の

行動は更にエスカレートしてくのであった。


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