取り返しの付かない後悔をした妹そして、過去に母親として戻る。
激 辛
第1話
私は兄の悪口や、嫌がらせをしていた。
でも、そんな私に兄は笑顔で返してくれていた。
本当は、もっと仲良くしたかった。けど全部遅かった。
ーーーーーー
「ほんとダサい。」
「なぁ、春」
その日、兄はとても落ち込んでいた。
「たまには、俺にも優しい言葉をかけてくれよ。」
「はぁ?何その態度!」
本当は、私もそのつもりだった。ただ兄を見ると、いつもの癖が出てしまう。
「ごめん、確かに悪かったね」
そう言うと、兄は落ち込んで部屋に行った。
「あ、」
何やってるんだ私!こんな、兄が大学受験に落ちる日まで
ーーーーーーー
母親は小さい時に亡くなってお父さんと兄と暮らしている。
だけど、お父さんは仕事で忙しくてほぼ家に居ない。
だから基本は兄と二人で暮らしているようなもんだ。
兄はずっと私のことを優先してくれた。中学生までは、必ず私の遊びに来てくれて、いつも家の家事や料理をしてくれた。その為、友達も全然出来なかった。でも兄には女の子の幼馴染がいた。その幼馴染とは、私以外で唯一話をしている人だった。私はその子に嫉妬し、構って欲しくなり、いつのまにか悪口ばかり言うようになった。そして、兄は幼馴染と高校の時に付き合った、そして別れた。
兄はずっと辛いことばっかりだった。
今回の受験も兄は家事をしながら、可能な限り頑張っていた。
けど落ちてしまった。
本当は、ダサいじゃなく、今までのことを謝るつもりだった。
そして、兄に頑張ってくれたことを感謝するつもりだった。
ーーーーーーー
私は心配になって、少し時間が経ったので兄の部屋に入ることにした。
「えっ、、、」
もう謝ることも、感謝することも出来ないその全てに絶望した。
ーーーーーーー
遺言を発見する。
今までの辛かったこと、幼馴染の別れた時の話、受験に落ちたら、浪人を考えずそうすると決めていたとも書いてあった。
そして、私のことも沢山書いてあった。楽しかったこと、嬉しかった、辛かったこと、読む度に涙が止まらなった。
そして、私はその場でしばらく止まり、ある結論についた。
お兄ちゃんが、そうなっちゃたのは、私が原因だよね。
なのに、その原因の方が生きてるのはおかしいよね。
ごめん、お兄ちゃん、私は地獄かも知れないけど、天国で会えたら、沢山謝られせて欲しい、その時は感謝も沢山話したい。
出来ればずっと一緒に居たいな。
本当に、本当に最後の私のわがままお願い。
最後は強く抱きしめて寝させて、
ーーーーーーーーーーーーー
ここは、どこ?天国?いや病院?
そうだ、この病院はお母さんの通っていた部屋そっくり。
「お兄ちゃん!!お母さんが目を覚ました!」
「本当だ、本当だ!良かった!本当に良かった!」
そこには、見覚えのある女の子と、とっても懐かしい姿をした兄がいる。何が起きているの?とてつもなく体が重い。
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