ヤンデレ先生と暮らす危険な毎日

第1話 ヤンデレ先生の殺人事件 🔪🔪🔪🔪🔪🔪

　ぽたりと血液が滴る。

　高校二年になったばかりの渦巻（うずまき）は、美人教師の風見鶏（かざみどり）と同棲生活をするほどの恋中だ。きっかけは風見鶏の一目惚れ。

　渦巻のどこが良かったのか定かではないが、二人は夫婦のように仲が良かったはずだった。

　だが、二週間も経たない内に渦巻は、同じクラスの女子と仲良くなった。昔から女子と親しくなることは得意な渦巻だったが、それが殺人事件に至る要因になるとは思いもよらなかった。

　彼の腹部には今、鋭く冷たい包丁が突き刺さっていた。風見鶏が隠し持っていた包丁を振りかざし、容赦なく刺したからだ。馬乗りになり、何度も何度も。

「…………せ、せんせい……なんで」

「渦巻くんが悪いんだよ。わたしを……先生を裏切るからッ！！」

　風見鶏にとって、渦巻の浮気（・・）は許しがたいものだった。女子と話す――それだけでも精神が崩壊するほど。でも、担任としての立場もあったので殺人衝動を可能な限り抑えていた。

　けれど、渦巻は楽しそうに女子と会話してしまった。それが引き金となり、風見鶏は闇に落ちてしまう。結果、渦巻は腹部を複数個所刺され――出血多量で死亡。

　帰らぬ人となった。