16歳

最上司叉

第1話

俺は中学を卒業して今度高校に通う普通のどこにでもいる人間だ。

普通よりちょっと裕福な家に育ち彼女もできた。

そんな当たり前な明日が次の日もくると信じて疑わなかった。

誕生日までは。



俺は春休み友達と遊んだり彼女とデートをしたりいろいろ考えていた。

もちろん俺の誕生日は彼女と過ごす予定だった。


母親は俺が生まれてすぐ亡くなったらしい。


父親は仕事でろくに帰ってこなかった。


俺は家政婦に育てられたと言っても過言ではない。


ほとんど会った記憶のない父親が俺の誕生日の朝めずらしく家にいた。


「お前ももう16歳か…はやいなあれが亡くなってもう16年か…」


俺は何も言わない。


父親は喋り続けた。


「お前をなぜ16年間育てたと思う?」


俺は分からないと答えた。


「新薬の実験に使うためだ」


俺は訳が分からない。


すると父親は部下に指示して俺を拘束させた。


「なにする離せ」


俺は必死に抵抗したが無駄だった。


俺は家の地下室に連れてこられた。


俺は自分の家に地下室があったことも知らなかった。


俺はベッドにしばりつけられた。


「まずはこの薬を試すか」


父親はそう言うと注射器を俺の腕に刺した。


俺は「ギャー」と叫んだ。


なんの薬を打たれたのか分からない恐怖と痛みでパニックになる。


それでも父親はやめない。


それから毎日薬の実験に使われた。


「もうやめてくれ」


俺は父親に懇願したが無駄だった。


俺はこのまま一生を過ごすのか?と考え始めた。


彼女と友達は俺が急にいなくなって心配しているだろうかとも考えた。


今日も父親は地下室にきた。


「今度はこの薬を試すか」


と言いながら注射器を俺の腕に刺した。


俺は目眩に襲われ気がつけば意識を失っていた。


目が覚めたら自分がどこの誰かも忘れていた。


次の日誰かが地下室にきた。


父親のことも分からなくなっていた。


「実験は成功した」


父親は満足そうに笑っている。


数日後彼女と友達が俺を心配して俺の家に訪ねてきた。


父親は飲み物な薬を入れそれを俺の彼女と友達に飲ませた。


彼女と友達もまた俺と同じように記憶喪失になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

16歳 最上司叉 @moemee

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る