自由の奴隷は学園タワーで奴隷の自由を求めている
未月キュウ
奈落からの自由を求めている
ある「世界」の物語
今思えば、それは一筋のストーリーでありながらも、実に複雑怪奇な代物であった。
あるところに1人の少年がいた。その少年はすべてを見通し、その物語の道筋を示した。
あるところに1人の少女がいた。その少女は恋焦がれ、その物語に別角度から一石を投じた。
あるところに1人の少女がいた。その少女は理を求め、その物語に仕組まれた謎に迫った。
あるところに1人の少年がいた。その少年は己の道を信じ、その物語の転換点となった。
あるところに1人の少女がいた。その少女は表裏を巧みに操り、その物語で最善手を掴んだ。
あるところに1人の少女がいた。その少女は自らを愁い、その物語を陰で支え続けた。
あるところに1人の少女がいた。その少女は無自覚に踊り、その物語に波紋を呼んだ。
また、あるところには物語を推し進める1人の少年が、あるところには物語を歪める1人の少年が、あるところには物語の掌握をたくらむ1人の少年が……。とかく、この物語は複雑怪奇であった。
そして、ここに1人の少年と1人の少女がいる。少女は未来を信じて懸命にもがき続け、少年は過去を悔やんで黒歴史を己が内に封じ込めていた。
これは、そんな少年少女が交わるところから始まる、とある「世界」の物語である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます