第5話
放課後
俺と動田は帰り道が逆方向だから、一緒に帰れない。みんなが動画を見ている話を聞いたから思い切って聞こうとした、が―
「い、一緒に――」
染み付いたボッチ体質のことが頭によぎった。
そして、一切喋らない気不味い空気になる場面。さらに動画での期待が強いため失望される自分の姿に。
ってことで一人で帰ると、家の前に妹が居た
「なんで家の前に座っているんだ」
「家に入ろうとしたら、家に帰れない辛さをアンタも知りなさいって言われた。」
「いや、実家に帰れよ。」
「お兄ちゃん、私もひらがな辞める!」
「そうか、良いんじゃね。」
「リアクション薄!!」
「いや、どうでもいいし。」
「本当は辞めたくないの。」
「そう。」
「せめて、さっき言ってたことと違うじゃんくらい言ってよ!」
家には入ろうとする俺を止める。
「そうか」
「私の理不尽な言葉すらリアクションそれだけ?」
流石妹、理不尽の塊。
しつこい妹は俺を家に帰さない。
「お兄ちゃんが居なくなってから、動画撮るのつまらなくなった。」
「再生回数は減るから収入出来ないし、一輝にはパワハラされるからね。」
「そっちは返事するのね、お兄ちゃん!」
「そんなブラック戻るわけないよ。」
「一輝以外は戻ることを祈ってる。だから戻って来て。」
「戻らない。絶対に。」
「戻って、今度は絶対にお兄ちゃんの意見を聞きながらやるから。」
「俺の意見が通るなら、もうひらがなでやる必要はないよ。それなら新しいチャンネルかまたチームを作る。」
「無理だよ!お兄ちゃん私達しか友達いないもん」
「だと思うよな。」
「お兄ちゃん、妄想は辞めて現実みなよ。」
「それはどっちかな。」
「お兄ちゃん、調子乗りすぎ。」
「じゃあ、楽しみにしてな。」
そう言って俺は妹に格好つけながら、家に逃げ込めた。
扉の後ろから「待ってお兄ちゃん!そんなことより、私達は、」
とりあえず逃げる為の口実だったし、
でも動画作った時は楽しかった。動田誘ってやってみようかな?
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ドッキリ動画の犠牲になる俺。我慢の限界が来ていた頃に、生配信の強制辞めるドッキリをして来たので、引退を宣言した。 激 辛 @eaconnn
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