第71話 覆水盆に返らずに気付く。
渡辺
「川守サン。悪いけど、1点で勝てるなんて神崎を甘く見てないか?」
普段はいつも眠そうな目をしてる神崎
「わかってますよ、ナベ先輩。1点じゃ足りない。場合によっては2点だってひっくり返す力がある。でも、忘れてませんか?」
「忘れる? アレか? 吉沢が……
ただ、当の田中アキが恐怖に支配されているので、まるで伝わらない。
「先輩、
その言葉に、電話越しながら顔が真っ赤になったのを
(信用されるのは、うん。悪くない)
「渡辺。神崎のマンマーク頼むね!」
守備リーダに抜擢されたのは、攻守でもっとも圭の信頼を得ていた石林
『541』の『5』の部分の真ん中で攻守の要となる存在だ。
「了解。無理しないぞ、セーフティーで行く。神崎が持ったら蹴り出す」
「それでお願い! あとわかってるよね?」
「わーてる、いつもと違う役割だろ? アキとの息はぴったりだ」
(それ思ってるの渡辺だけだからね)
(でも、やっぱしすごいな、川守さんは)
ここ最近県大会突破出来てない。小林
理由はいくつかある。単純に
だけど、最近
しっかり対策さえすれば、
しかも、ワントップに吉沢
(互角の戦いが出来るかも……)
そう思って一瞬、
しかし、問題は
もちろん、その際ゴールマウスは無人だ。
なので、
だがしかし! 今日守備リーダを務めるのは自分なのだ。いや、キャプテンマークを巻いているのは自分自身なのだと
「
「ええ~~無理! こんなゴールマウスの近くにいたら窒息しますよ~~」
いや、おまえGKだからな? GKがゴールマウス近いと窒息するなら世界中窒息者だらけだよ、
「じゃあ、
もう、懇願に近い。
「
あぁ、そう来たか。
そんな頭痛しか感じない
「だってさ。川守くんが、いいっていうんだもん『お前の好きにしろ』って『お前はお前の嗅覚を信じろ』って。なんか、今日ゴール決めそうな予感バンバンするんだよね~~」
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