第5話

「太郎!!」


「ナナ!!」


「太郎!!」


「ナナ!!」


さっきからこうしてお互いの名前をずっと呼び合っている。


 そして、池でゆっくりしている。


 ついでに、


 「非常食!」


「美味しい!!」


「クッキーぃぃー」


「美味しい!!」


  覚える言葉も増えている。


 ナナの声はとても可愛いので癒される。


 と言うか太郎と呼ばれること自体が凄く嬉しい。

 久しぶりだな、名前で呼ばれるのって、


 俺たちはまたこの川で一夜を過ごすことにした。


ーーーーーーーー


 どうしよう、せっかくだし体を洗いたい。でも寒いしな。一応最初はホームレス期間を想定してたからお湯を作るセットがある。


 そうだ!


 ナナは俺の道具に興味を向いている。


 「テ!テ!テ!」

俺はテと連呼して喋り手の呼び方が手分かるようにジェスチャーする。

 ナナは理解したようだ。


 似たようなやり方で、触るも説明し、触りたくない動きをして触ったら駄目も教えた。


 砂で円を描いて、その中に入らないように伝えた。


 火をつけた。


 ナナはビックリしている。


 そして、セットで水を汲み、お湯が出来た。


 ナナに頭だけを前に向けて貰い、紙にお湯をかけた。


 とても喜んでいることがわかる。

 何度も水と火と、このセットを指差している。


 すぐにお湯と髪と、かけるを覚えた。


 そして、俺はナナの手や足なども洗う。


 流石に服の下はできないので俺が目を隠して洗って貰った。


 こうして、俺達の今夜も終わった。



 

 

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