青春と虚無

ヨナ

第1話 プロローグ

人とはもろい生き物であり、共感を求める生き物でもある。一度砕ければ元には戻らない。精神的苦痛、身体的苦痛など、この中にも多くの苦痛は存在する。人を批判すれば、それが連動するように、

拡散され最悪の場合人を死に至らしめることもままならない。ならどうすればいい?どうすればよかったか?答えはただ一つ自分自身で変えてゆくしかない。


「うるさいのよ!なぜあなたはお姉ちゃんのようにできないの!なぜこんなこともできないの!」


「優には失望したよ。お前はうちの子では無い」


リビング全体に罵声が響き渡る。机に置いてあったテスト用紙はぐちゃぐちゃになっており、自分の気持ちをのぞいてるようだった。


「ごめなさ…」


「お父さんとお母さんもそこまでいう必要なんてある!優は優なりのいいところもあるし、なぜ他人と比べようとするの?」


俺の言葉が、かき消されるように姉の陽奈が庇ってくれて父と母に対して鋭い目を向けていた。


「優あっちにいって一緒にゲームしない?」


「うん…」


姉の陽奈は幼い頃から俺の事を第一に考えてくれて、一緒にいるだけで安心できて俺が生きるために大切な人だった。


ところが、

俺が中学3年のころ学校と女優の仕事をしていた姉は仕事が終わっても帰ってこなかった。他殺されたと知ったのは翌日のことだった。


なぜ殺された。なぜだ。なぜだ。なぜだ。誰が、何のために!見つけ出す。見つけ出す。そして


「復讐だ」


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