『白いカラス』/第8回のお題「鳥」
こんな場所で逢引なんて不謹慎と罵られようと……毎週金曜の午前二時に参道で待ち合わせ。
振り返ると、鳥居に白い鳩が止まっていた。
私達と違って夜行性ではない鳩が、寝床にしているのだろうか。
幸せの象徴にこの関係を認められた気がして、ほくそ笑む。
鳴き声で、白い鳩ではなくアルビノのカラスだと気づき、ハッとした。
家庭を顧みない夫。部下であるあなたが、私の止まり木になってくれた。
あなたが同伴させられた接待から解放されて、夫が夜の蝶の元から朝帰りするまでの束の間、あなたの腕の中で鳴く。
世間から見たら、爛れた黒い関係だとしても。
私の胸を切り裂いて、真っ白だと見せつけたいくらいよ。
……私にとって、あなたがかみさま。
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