現実と現実~近未来転生したら、ほとんど仮想空間での生活でした~
猫原獅乃
第1話 転生
「確か…ここだったっけ?」
今、小学校の卒業アルバムを探している。
「あったあった…キャァァッ⁉」
何かに、引っ掛かり、物置の、物が、全て、落ちた…………………………………………………………………………………………………
「うわぁっ⁉何よ、これ…⁉」
目の前に、巨大なガチャガチャが聳え立っていた。
突然機械音が響いた。
『貴女は事故でお亡くなりになられましt…ガガッ…今からこのガチャガチャを引いてくだs…ガガ…』
何だか壊れているようだが、取り合えずガチャガチャを引く。
「うぅぅっ…よいしょっ」
ガラガラ…ガシャン。…コロコロ…
「わっ⁉」
突然閃光が差し、カプセルが開いた。
『行き先 近未来 東京都在住 12歳 天王洲坂 ライム』
「!」
「うーん…」
目が覚めた。
「ライム?お早う。」
「おはよう…⁉」
突然頭がかき回される様な感覚がして、天王洲坂ライムの記憶が入ってきた。
ライムは両親と三人暮らしで、一戸建てに住んでいる。髪も眼も漆黒で、髪型は腰までのロングだ。前髪も長めで、どことなく暗い。
…お母さんのミントさん、美容師さんなんだ。じゃあ、イメチェンしてもらおうかな…
ミントさんは茶髪に黒の眼で、緩いパーマがかかったセミロングより少し長い髪だ。
とてもオシャレな雰囲気で、思わず驚いてしまう。
お父さんはルイタさんで、黒髪藍眼のイケメンだ。
どうやらここ、名前が可愛いらしく、友達は「チョコ」とか「リンカ」みたいな名前の子が多い。クラスメートの名前と、大まかな性格も入ってきた。
「ライム、『Q』に登録するわよ。スマホ持ってきて」
「ん。」
…Q?…
記憶を探ると、仮想空間の様だ。プラザと呼ばれる中央や、シアター、ショップなどがたくさんあるそうで、自分に似せたアバターを作れるらしい。
スマホをもってきて、お母さんの横に座る。Qアプリは既にインストールされていたようで、そこを開く。カメラの映像が出てきて、私の顔を映す。登録ボタンを押し、
『この顔で登録します。よろしいですか?』にOKボタンを押す。
『アバターを生成中です…お待ちください…』と文章が出てくる。
下には『Qは新しい仮想空間。皆さんの願いをかなえます。
さあ、貴方も始めましょう』と書かれている。
『アバター生成が完了しました』と出てきて、アニメ調のアバターが出てきた。
「…そっくり」
これから、私はこの世界でどうするのかな?
現実と現実~近未来転生したら、ほとんど仮想空間での生活でした~ 猫原獅乃 @MikoMikko
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