第15話

桜宮視点


 「キャー」

クラスから悲鳴が聞こえる。私は急いで、クラスに入った。


  だが、私の心配と裏腹に悲鳴をあげた人がメイドの服をしたタッツーだった。


 そして思わず私は思考が止まる。


 「キャー変態!!」

 タッツーが声を変えて叫んでいる。

 変態はアンタでしょ。


「いいじゃないか?えー、いいじゃないか?」


「もう、やめてって、言ってるでしょ!」

 

 何これ?


 「もう一回、はいもう一回!!」

クラスがアンコールをしている。


 「あ、春おはよう。」

メイドの格好をして、今もスカウトを捲られているタッツーがこっちを見る。


 「・・・何してるの?」


「これ、春が見たいって言って文化祭の出し物。あっいやー」


そう言えば、私も見たいって言ったな。


 つかよく見たらクラスメイト全員、キックー含めてノリノリだし。


 「もう、そんなことしたらめーよ。」

どんなキャラだよ。


 「春までもめくっちゃダメよ。」

と言いながらスカートを捲ってと言う感じに私に向けてくる。


 「いや、しないよ!」

 


「えっー!」

 タッツーはがっかりする声を出す。クラスメイトもえーというか感じに言っている。


 キックーが私の方に来て、


 「しないの?」

タッツーのさっきまで嫌なキャラがブレブレである。

 しかもなんだか残念そうな顔をしてる。


 待ってよ、そんな顔をされると


 「春、このクラスはみんなやってるよ。あ、辞めてー!」

 キックーがやっている。


 それからキックーは見せつけるように何度もやる。


 「春はやらなくていいの?」


「やっぱり私もやる。」


一回やるともう止まることはなかった。

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