ゲームセット

勝利だギューちゃん

第1話

「さてと・・・」


俺はバッターボックスへと向かう。

スコアは、4対1。

3点ビハインド。

2死満塁。

延長はない。


監督から代打を使命された。


「思いっきり行ってこい」


その言葉を胸に、バッターボックスへと向かう。


マウンドには、最も倒すべき相手がこっちを睨んでいる。

彼とは、長い付き合いだ。

楽しい時も苦しい時も、一緒だった。


「最後の時だな」

「ああ」

「お前に俺の球が打てるか?」

「スタンドに叩き込んでやる」


俺は彼を睨みつける。


俺だって、だてに頑張ってきたわけではない。

絶対に、有終の美を飾る。


サヨナラ勝ちを、手土産に・・・


彼は渾身の一球を投げ込んできた。

絶対に、このスタンドに叩き込む。


絶対に・・・

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