第7話 先生に怒られた
今日の20時30分頃に柏木先生に電話したところ、風呂上がりだったようだ。
時間をずらせばまたかけて良い感じだったので、俺のテンションは上がる。
明日は何を話そうかな~? 考えるだけでワクワクするぜ!
……夜にそんなことを考えた結果、頭が冴えてしまいなかなか寝付けなかった。幸い寝坊・遅刻はしなかったものの寝不足だ。いつうたた寝してもおかしくない。
超眠い状況で迎える、朝のホームルーム。担任の柏木先生が教壇に立って何やら話している。眠すぎて、全然頭に入ってこない。
「坂口君! 聴いてるの!?」
教壇で俺を名指しする先生。
「…え? 何ですか?」
「何ですか? じゃないわよ! 先生の話はちゃんと聴いて!」
「すみません…」
クラスメートに笑われる俺。…恥ずかしい思いをしてしまった。
これは、今日の電話で謝ったほうが良いな。学校の外では“友達”として話すことになっているが、迷惑をかけたことには変わりないし…。
それから時間は流れ、放課後になった。金欠の俺は、寄り道せずまっすぐ家に帰る。自室に入ってカバンをベッドに放り投げた時、ポケットに入ってる携帯が鳴る。
俺に電話? 誰なんだよ? そう思って確認すると、柏木先生からだ。
まだ夕方なのに…。何の用だろう?
「もしもし、柏木さん?」
昨日、“先生”と呼んだら怒られたからな…。
「坂口君。今回は特別に教師としてあなたと話すわ」
教師として…? ということは、良い話じゃないな…。
「わかりました。…先生、何の用ですか?」
「朝の件よ。何であんなに眠そうにしていたの?」
そのことか…。隠すことじゃないし、正直に言おう。
「昨日、先生と電話で話せて嬉しかったんです。なので話題を考えていたら…」
「寝るのが遅くなって、寝不足になったのね」
「その通りです。迷惑かけてすみません」
「私と話したせいでそうなるなら、今後は電話しないほうが良いかもしれないわね」
「それは困ります。先生と話せなくなったら俺は…」
楽しみの1つがなくなってしまう。それだけは避けたい。
「なら、規則正しく生活して。エロ話でなくても、君と話すのは私も楽しいから」
「俺と話すのが楽しい…? それ、本当ですか?」
どうせ、社交辞令ってやつだろ?
「本当よ。年下と話すのが嫌いな人は、教師にならないから」
「ありがとうございます。俺、今日からちゃんと規則正しくします!」
「よろしい。…もうそろそろ切るわね。学校で長話できないから」
先生だし、そんなすぐ帰宅できないよな…。
「はい。お忙しい中、ありがとうございました」
「じゃあね」
そう言って、先生は電話を切った。
俺と柏木先生は連絡先を交換したから、こんなことができるけど、もし連絡先を知ってたら他のクラスメートにもしたのかな…?
どうせなら、俺にだけ連絡して欲しいものだ。そう思わずにはいられない。
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