教室の中心でエロ話をしたら、女担任が興味津々に聴いているんだが!?
あかせ
第1話 寝るぐらいなら、俺のエロ話を聴いてくれ!
もうすぐ、昼休み後の授業が始まるな。確か…、現代文だったか。
現代文は、クラス担任も兼任している
25か26の女性だ。教師になって、2年ぐらいって言ってたかな?
そんなほぼ新米の先生がクラス担任になったのは、人手不足の影響らしい。
真面目で優しく、怒っているところを観たことがない。
まぁ知り合って間もないし、本性を知らないだけかもしれないが…。
というのも、4月に高2の新クラスになって、まだ数週間しか経過していない。
…柏木先生が入ってきたぞ。教壇前に立ち、クラスを見渡す。
「起立…礼!……着席」
学級委員長の長谷川さんの号令に合わせて行動するクラス一同。
ただでさえぬるい授業なのに、昼飯後だから眠気がヤバい。
起き続ける自信がないぞ…。
先生は教科書やお手製ノート? を観ながら板書することがほとんどだし、タイミング次第ではうたた寝できるかもしれない。諦めずにその時を待とう。
……先生の話を適当に聞き流しながら、昼寝のタイミングを探す俺。
俺の席は、先生の目線に入ることがほとんどだ。うたた寝はやっぱり厳しいぜ。
このクラスは全30人おり、縦1列に5人いる。それが6列存在するのだ。
教壇は黒板の前かつ3列目と4列目の間にあるが、俺の席は4列目の前から3番目になる。つまり、教室のほぼ中心にいるのだ。
そんな座席では、先生の目を盗むのは難しい。せめて一番前なら『灯台下暗し』理論が通用するのに…。
…先生がクラスを見渡しながら話している時に、あくびがしたくてたまらなくなってしまう。我慢すると変な顔になるし、一瞬で済ませるか。
俺は下を向いてから手で口を塞ぎ、大あくびをする。中途半端なあくびだと消化不良になるからな。小分けするより、大きいのを1回やったほうが満足度は上がる…気がする。
「
しっかり見られてた! タイミング悪すぎるだろ!
「私の話、そんなに退屈かしら?」
「……」
「そうですね」とは、口が裂けても言えないので黙るしかない。
「他にも眠そうな子がいるし、つまらない私の話に代わって面白いことを話してくれる? 個別に起こしに行くのは面倒だし、ちょっとまとめたいことがあるから」
そう言って、教壇上にある手帳を手に取り何かを書き始める先生。
面白いことって何だ…? 俺が話したいのは、エロいことだけど…。
「面白い話っていうのは、何も笑わせることじゃないわ。興味を持ってもらうのも話す上で重要なことよ」
エロいことなら、男子に興味を持ってもらえるだろう…。
それで寝る人が1人でも減れば良いんだよな?
寝るぐらいなら、俺のエロ話を聴いてくれ!
「女子は胸の大きさを気にすると思うが、重要なのは形なんだよ!!」
周りの反応が気になるので、クラスを見渡す。
…やはり、俺をゴミのように観る女子が多数。ていうかほとんどだな。
男子は「同志よ!」と言わんばかりの目で観てくる奴がいる。
気にせず寝てる奴もいるか…。気にせず続けよう。
「いくら大きくても、形が崩れたら魅力は半減だ! 背が高くても、猫背じゃ意味ねーよな。そんな感じだよ。わかるか?」
さっきはクラスメートを観察したので、今度は柏木先生を観察しよう。
手を止めて、俺を見つめている。他の女子と違って、嫌悪感を感じないぞ?
…そのへんは大人だし、うまくごまかしてるのか。
「だから…、小さくても諦めないでくれ!」
即興で言ったんだ。締められただけマシだろ。
「話はそれで終わりかしら?」
締めた感じが伝わったのか、柏木先生が訊いてくる。
「…はい」
俺、終わったかも?
「高校2年らしい、煩悩だらけの内容ね。後でペナルティを課すから、帰りのホームルーム後に職員室に来なさい!」
「わかりました…」
こんなことを言ったんだ。ペナルティは仕方ないが、両親に伝えるのは勘弁してほしい。自業自得だが、何されるかわからなくて怖いぞ…。
結局ほぼ全員の女子に嫌われ、男子1~2人の好感度を上げて、俺のエロ話は終わる。寝ている人が起きたかどうかは、よく覚えていない…。
その後、何事もなかったように授業は再開され、終了を知らせるチャイムが鳴る…。
「坂口君。さっきの件、覚えているわよね?」
教室を出る間際、先生が確認してくる。
「覚えてます…」
確認されると、あれは現実だったことを思い知る。
「なら良いわ」
先生は足早に教室を出て行った。
今日はこの休憩時間後に6限があり、その後に帰りのホームルームがある。
職員室に行くのは、さらに後になる。
俺、ヤバいことしちゃったかも…。後悔しても意味ないのに、何度も考えてしまうのであった。
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