国民的美少女アイドルに俺の性生活は支配されている

もんすたー

第1話 国民的美少女アイドルは今……

「ん……//瑞稀くん気持ちい?」


「あ、あぁ……それヤバい」


 白を基調とした女の子らしい部屋に響くは、男女2人の声と音。

 部屋にいる俺、川俣瑞稀(かわまたみずき)の下半身にあるのは、美少女の顔。

 その顔は、彼女の後ろで流れているテレビに映るライブ映像で一際輝いているアイドルの顔と同じ。


 天野いちご(あまのいちご)高校2年生。


 アイドルグループ。『ふるーつぽんち☆』のセンター。


 艶のある黒髪ロングに、引き締まったボディーライン。スラリと白く長い足。

 大人びた中に可愛げのある美形な顔立ち。

 出るところは出ていてまさにモデル体型そのもの。


 国民的アイドルグループのセンターに抜擢されるほどの才能の持ち主。

 歌唱力、ダンス、笑顔。すべてが誰よりも優れている逸材だ。


 そして……俺のクラスメイトでもある。


 もちろん、彼女は学校でも人気者。

 アイドルだからという理由で、彼女が学校で人気な訳ではない。


 容姿端麗なのはもちろん、スポーツ万能、頭脳明晰。人当たりもよく彼女を嫌いと言っている人は見たことがない。

 誰もが羨むような存在の彼女が、今、俺の息子で遊んでいる。


「私も……いい?」


「いいよ。俺ももうちょっとされてたらヤバかったし」


「なら、もっとしてあげよっか?」


「やめてくれ……萎えたらお前だって嫌だろ?」


「そりゃ~、早く欲しいし~。でも……瑞稀くんが私の弱い所見たい」


「相変わらず強欲だな……」


「可愛いでしょ?」


 と、小悪魔な笑みを浮かべる天野。


 天野のアイドル活動でのニックネームは『いちごちゃん』。本名だが、グループ名が『ふるーつぽんち』とフルーツにちなんでいるからちょうどよかったらしい。

 本人曰く、アイドルの時とオフの時で使い分けなくていいので楽だそうだ。


「私はいつだって甘いいちごの『いちごちゃん』だよ?」


「そのいちごちゃんがクラスメイトとこんな事してるなんてな、ファンとかが知ったらどうなるんだか」


「アイドルの私と普段の私は別人だってぇ~」


「アイドルの裏が凄い的な感じで大炎上しそうだな~でも」


「みんなに見せるのは綺麗な『いちごちゃん』だけでいいの」


「さぁ、どうなのかなー」


 フッと鼻で笑いながら小バカにする俺に、


「うっさい、今は瑞稀くんだけが私を見ていい時間なの」


 と、頬を赤らめ荒くなった息のまま、天野は俺の下半身へと腰を下ろす。


「んっ//」


 体をビクつかせ、抑えようとしていた声を漏らす。


「いきなりそれは……」


「ダ~メ……逃がさないよ?」


 足を動かそうとする俺をガッチリと固定する天野。


「ホント、これが国民的アイドルなんて信じられないわ」


「私がテレビに映ってるのにそれを言う?」


「だってさ、テレビの中から人が出てきたって言ってもおかしくはない状況だよな」


「まぁ、私はそれくらい大人気なアイドルだから無理はないか」


 うーんと少し考えると、ポンと手のひらを叩いて納得する。そして、


「私がどれだけ人に愛されていようと、ファンがいっぱいいようと―――」


 豊満な胸を俺に押し付け、腰を微かに揺らしつつ、声を漏らしながら耳元で囁く。


「――私は瑞稀くんだけの物なんだから」


 そう、俺は誰からも愛される国民的アイドルに、性生活を支配されている。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る