超能力者セブン・スクーラーズ
イズラ
プロローグ:7秒回避
9月27日水曜日。涼しい風が吹きつける夜明け。
ある一軒家の 小鳥がさえずる庭、青い蝶が 花の蜜を 優しく
蝶は蜜を吸い続け、やがて羽を閉じた。
朝の住宅街は物静かで、歩いている人と言ったら 変な帽子を被った少女くらい。
夜が明けてからしばらく経ち、ほんわかした日差しが地を照らした。
先ほどの住宅街には 巨大マイマイに乗った少年が静かに登校しているが、その他の学生は見当たらない。
全国約4割の学生の目覚まし時計が一斉に鳴り響いた午前7時。
その内 7割がスヌーズ。
10分後、住宅街には目覚まし時計(アナログ)を抱えて走る セーラー服の少女の姿があった。
少女は「時間厳守~」と独り言を呟いて、
と、時間厳守 少女の横断中の車道に、大型トラックが猛スピードで迫る。
「やっべ~遅刻遅刻~!」と独り言を呟いている痩せ型の中年男性は、横断中の女子高生に気づかず、アクセルを踏み続けた。
少女とトラックの距離が『ゼロ』になる、その瞬間―—。
『^v^v^v^v^v^v^vジリリリリ^v^v^v^v^v^v^v^v^v』
けたたましいベルが鳴り響いた。
——トラックは『最悪の状況』を回避して脇道の廃墟の家に突っ込んでいた。
運転手は呆然とハンドルを握ったままで——ベルは鳴っていなかった。
少女は、何事もなかったかのように その場からスッと立ち去った。誰の目にもつかずに。
やがて野次馬が集まって、現場に警察が駆けつける頃には 多くの学生たちが通学路を歩いていた。
超能力者セブン・スクーラーズ イズラ @izura
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